紛らわしいe-powerという表示。エンジンで発電しモーターで動く二度手間

日本の電気自動車(EV)の普及率はわずか1%未満でしかありません。しかし、街を見れば「e-power」という表示のついた日産車とよく出会う。
e-powerっていうくらいだからEVだと思い込み、いったいどうなってんの?ってなわけでe-powerとはなにかと確認してみたら、それはもうがっかりするような代物だったのでした。
ハイブリッド車の肝
従来のエンジン車に取って代わられる技術として開発されたのがハイブリッド車であることはご存じのとおりです。
ハイブリッド車が優れているところは、従来、ブレーキをかけた際に発生し、大気中に放出されていた熱エネルギーを回収して蓄電し、再利用することにあると思います(回生エネルギー)。
回生エネルギーで蓄電した電力を使ってモーターを使って走り、それで足りなくなったらエンジンを使うという優れものなのです、今さらですが・・・。
e-powerって電気自動車じゃないの?
最近はやたらEVが話題となっていることもあり、街でe-powerの文字を見かけるとEVだと思っていたわけですが(我ながら間抜け)、どうも数が多すぎる。
1%未満の普及率なのにこんなにたくさん走っているはずがないってなわけでe-powerっていったいなにものなのかを調べてみたのです。
調べた結果、その仕組みにはがっかりせざるを得なかった(個人の感想です)。
素人には理解しがたい二度手間
なぜがっかりしたのか?
その理由は、エンジンだけで済むものをわざわざ電池とモーター積み込んで無駄な手間をかけてクルマを重くしているとしか思えないからです(ハイブリッドも同じっちゃ同じだが)。
e-powerの良し悪しを考えるためにはその仕組みを知っておく必要があるでしょう。
ハイブリット車がモーターとエンジンが必要に応じて切り替わるのに対し、e-power車ではクルマの動力となるのはモーターのみです。
モーターを動かすのはもちろん電力であり、それを蓄える電池も必要です。そして、電池に電力を供給するためにエンジンを積んでいるのです。
クルマはエンジンだけで動くのにわざわざエンジンで電気を作って蓄電し、モーターでクルマを動かすという二度手間をかけているというのです。
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ブレーキ踏んでもエネルギー回収されず
もっともがっかりしたのはe-powerが回生エネルギーを蓄えるのは、アクセルペダルを戻した際に減速する運動エネルギーだけという点です。
アクセルペダルを戻すだけでかなりのブレーキング能力があるようなのでブレーキペダルを踏むことは少ないようですが、従来どおりにブレーキを踏めば、それは熱エネルギーに変わって無駄に放出されます。
これではエンジンの故障リスクにモーターの故障リスクが加わっただけのように感じてしまうのでは私だけでしょうか。
最後に
水道水を飲むならば蛇口をひねってそのままコップにつげばよい。その点、e-powerは蛇口をひねって水道水をやかんに移し、さらにやかんからコップに移して飲んでいるような印象を受ける。
そしてe-powerという表示。これはいささか紛らわしい。
電気自動車と勘違いしそうですが、その実質的な動力源は内燃エンジンであり、従来のエンジン車とほとんど何ら変わらないのではなかろうか。
ブレーキを踏んだ際の熱エネルギーを回収しないのならば、ハイブリッド車の方がコンセプトがわかりやすいし、優れた仕組みだというのが個人的見解です。
なお当方、自動車関連の利害関係者ではございませんのであしからず。
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