EVになれば自動車の価格は1/5になるという永守発言は嘘だったのか!?

日本電産の永守会長をご存じのかたは多かろうと思います。
28歳で日本電産を立ち上げて、一代で売上高1兆数千億円の巨大企業に育て上げました。
日本電産はモーターが主力部品であり、今後、自動車のEV化が進めばその恩恵にあずかることは間違いありません。
ところでカリスマ永守会長は2年前の2020年、電気自動車が普及すればその価格は現在の自動車の1/5になるといった発言をいたしました。
カリスマの発言だけに説得力があり、信じた方も多いと推測しますが、実際問題としてその実現性は未知数、というよりもかなりの低確率といわざるを得ないようです。
EVで1/5って・・・
EVになればクルマの価格が1/5になるという永守発言は本当なのでしょうか。
日本における新車販売の平均価格は約170万円程度だといわれています。これが1/5になると仮定すれば、EVの価格はわずか34万円・・・。
いささか安すぎるのではなかろうか。大事な命を預ける自動車が安かろう悪かろうでは困ってしまいます。
こと自動車に関しては安ければ良いと割り切れる人は少数派ではないでしょうか。
自動車価格上昇中
ましてや世界経済はインフレ傾向にあること、また半導体不足による生産調整からクルマの値段は下がるどころか上がっているのが実態です。
納車を待ちきれない人は中古車市場に走り、中古車市場の値段も上がっています。

(出所:内閣府)
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モーター無しでも難しい
それにしても34万円のEVは実現可能なのでしょうか。
ところで、自動車の原価っていったいどのくらいなのでしょうか。専門家によれば、例えば200万円の新車であれば、だいたい120万円が原価であるとのことです。
そのうち、エンジンが45万円程度、車体や内装で75万円程度であるといわれています。
ってことは???
エンジンがモーターに入れ替わったとして、モーターが無料だとしても最低75万円の原価がかかる。
平均の170万円にして考えると63万円ほどは車体や内装費でかかる計算となります。
34万円っていったいどこからくる数字?となるわけです。
ポンコツEVなら一時的には可能かも
永守発言の真意は不明ですが、EVになると1/5というのはまるで現実味に欠ける。
とんでもなくコストダウンをした小型の劣化車ならわからぬでもないが・・・。
たしかにインドのタタ自動車は20万円ほどのエンジン車を出しましたが、結局のところ成功しませんでした。(販売不振で2018年で販売停止)
安かろう悪かろうのEVでは同じ轍を踏むこと間違いなし。
EVに過剰な夢を見ることは勝手ですが、その夢はもろくも打ち砕かれる可能性が高いといわざるを得ません。
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