IE、セキュリティリスクとともに去る。日本企業の対応遅れがひどい

一昔前、ブラウザといえばインターネット・エクスプローラー(IE)が当たり前でした。
1995年にWindows95とともに登場。Windowsの隆盛とともにシェアを拡大し、1990年代には圧倒的地位を築いたのですが・・・。今やその陰は薄くなり・・・、いよいよ消滅へのカウントダウンが始まったのです。
そして残されたのはセキュリティリスクのみというのですから、マイクロソフトのやり口はいささか無責任といわざるを得ません。
ブラウザ戦争、下剋上の構図
マイクロソフトが長い歴史を誇ってきたIEのサポートを2022年6月16日に打ち切りました。
その理由は至極単純。
使う人が激減したからです。
1990年代には圧倒的シェアを誇っていたわけですが、2000年代後半からはじり貧状態。
2009年にはそれでも6割以上のシェアを持っていたのですが、最近では1%程度にまで落ち込み、ほとんど存在感はありません。
以下は日本におけるブラウザのシェアの推移を表す動画です。
IEの傲慢と落日
IEがここまで落ちぶれたのは主に2つの要因によります。
1つは他社のブラウザに比べて表示速度が遅くなったことです。インターネットを利用するにあたり、ストレスとなるのは表示が遅いことです。
時間がなによりもったいない。サクサク動いてくれるブラウザに移行するのは当然だといえます。
スマホがブラウザ戦争にケリをつける
もう1つの要因はスマホの急激な普及です。
グーグルはOSのアンドロイドとともに、ブラウザソフトとしてクロームを投入し、スマホの普及とともに爆発的にシェアを拡大させていきました。
上記の動画を見ればわかるように2010年代前半が転機となっています。
また、iPhoneの普及とともにサファリもシェアを着実に伸ばしているようです。
要はパソコンとスマホではクローム、スマホではクロームとサファリでほぼシェアを独占しているといっても過言ではありません。
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日本企業の立ち遅れ
ところが、日本の企業は立ち遅れています。貧すれば鈍するというべきなのでしょうか。
日本企業の49%が業務上、今でもIEを使っているというのです。
サポートが終了することはわかっていたはずなのに放置プレー。そして急に焦りだしたのが最近の話。
なぜ焦るのかといえば、IE以外のブラウザでは正しく表示されなかったり、セキュリティ上の問題が発生する、あるいはそもそも何が起こるかわからないというお粗末な悩みまで出てくる始末なのです。
サポートが終了すると、IEを立ち上げようとしたときにマイクロソフトの最新のブラウザであるエッジが自動的に立ちあがるようになっていきますが、エッジになったときにうまく動くかどうかわからないっていうような具合なのです。
最後に
今後しばらく、とりわけITに疎い日本企業でトンデモない不具合が発生するリスクがあります。
2000年問題のときのように何も起きなければそれが一番良いのですが・・・。楽観は禁物なのです。
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