日本、アメリカに2度潰される。ニッチ市場で生き延びるほかなし

半導体

日本は2度アメリカにコテンパンに打ちのめされたといえます。

1度目はもちろん、太平洋戦争そしてその後のGHQによる日本骨抜き化のための占領政策です。

それでも日本は経済的には大復活を遂げました。

しかし、それはアメリカの逆鱗に触れて2度目の日本弱体化計画が遂行されたのでした。日本弱体化は2度とも見事に大成功・・・。それでも日本は違った形で復活を遂げつつあります。

2度目はどのような形で復活しようとしているのでしょうか。






アメリカ人怒る


戦後日本は大復活を遂げ、その頂点は1980年代だったといえます。当時の日本は天狗状態の有頂天であり、今思えば滑稽です。

ところで日本の製造業の発展の元となったのはアメリカの模倣品ではありましたが、日本人は改善が得意です。

アメリカからパクッてきても、さらにそれを改良して品質を向上させていったのはご存じのとおり。

人件費も安く、円安であったこと、また真面目な国民性も相まって、自動車やテレビ、ビデオデッキ、半導体などの分野で輸出競争力を飛躍的に向上させて、アメリカ市場で稼ぎに稼ぎました。

当然、アメリカの雇用は失われます。

日本憎しから、アメリカの労働者がデモで日本車をボコボコにしたりして、日米貿易摩擦はアメリカにとって我慢ならないレベルに達してしまいました。

近年の米中貿易戦争の日本版といったところでしょうか。



日本、第二の敗戦


当時、双子の赤字(貿易赤字と財政赤字)に悩まされていたアメリカは1985年のプラザ合意でドル安への流れを作り出しました。

ドル安により、アメリカの輸出競争力を向上させて貿易赤字を減らそうというわけです。

1985年以降、円高ドル安が一気に進んだことがわかります。

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(出所:世界経済のネタ帳)

その他にもアメリカは日本に対し、対米輸出自主規制を求めるとともに、関税引き上げ、反ダンピング法による日本企業潰しなどで対米輸出を減らす措置を矢継ぎ早に打ちます。

それらの措置に加えて、日本市場を解放するために規制緩和を求めてきました。

以下は日本の貿易収支の推移です。

20220621boueki.png
(出所:世界経済のネタ帳)

それでもなんとか日本は持ちこたえてきたといえます。

しかし、政策さえ誤っていなければ失われた30年ほどひどくはならなかったはず。

日本第二の敗戦が決定的となったのは2010年代前半だったといえます。まさに悪夢の民主党政権下で日本は敗北したといってよいでしょう。

日本衰退の図


日本に変わり、台頭したのが中国、韓国、台湾です。

人件費の安さや自国通貨安で圧倒的な輸出競争力を獲得し、日本にとって代わりました。

部品を組み立てるだけの工業では日本はもはやこれら3国に勝ち目はありません。

悲しいかな1人あたりの実質的な豊かさを示す購買力平価GDPにおいて、日本はすでに台湾、韓国に抜かれています。

20220621koubairyoku.png
(出所:世界経済のネタ帳)

日本は人口が多いため、国としては台湾、韓国よりもGDPは大きいですが、個々人でみれば貧乏であるということです。

そう、日本は落ちぶれてしまったのです。

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日本復活の芽


しかし、冒頭で申し上げたとおり、日本は敗戦後に違った形で復活を遂げつつあります。

もはや、組み立て産業では日本は復活できそうもない。

日本が生き残るには日本にしか作れない高度な素材や部品、加工品で圧倒的な競争力を維持、成長させるほかありません。

事実、そのような企業は日本に山のようにあります。

代表的なグローバルトップ企業


代表的なのが半導体の素材となるシリコンウェハーで世界トップシェアを誇る信越化学です。

どうしても目立つのは最終的に半導体を作っているメーカーである、サムスンやインテル、TSMCなどですが、それも素材がなければ成り立たない。

目立たないがその土台となっているのは日本企業だったりするのです。

株価を見ればそれは歴然です。

●信越化学(4063)
20220621_4063.jpg

バブル崩壊、デフレをもろともせずに株価が上昇していることがわかります。

最後に


日本復活の鍵はグローバルニッチ産業における圧倒的な競争力であるといえます。

そこでは日本人の職人魂が生きてくる。

株式投資をする際にも大いに参考になるはずです。

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