円安オーバーシュート、過去の円高からその限界を探る

振り子

相場の世界は得てして行き過ぎる。まるで死者にムチを打つかのようです。

現下の円安もいささか行き過ぎの感はある。しかし、一度走り始めたトレンドは振り子が振り切るまで止まらないのが相場の常といえます。

さて、今回の円安、いったいどこまで行くことやら。過去の円高オーバーシュートから推測してみることにしました。






為替相場の短期・中期・長期的視点


外国為替相場は短期的には政治家の発言や事件、金融イベントなどにより左右される、中期的には各国の金利差により左右される、長期的には購買力平価により左右されるというのが個人的見解です。

現在の円安は中期的要因によって大きく左右されているといえます。

アメリカの金利上昇ピッチが急激な中、日本は金融緩和を続けざるを得ない。日米金利差の拡大が現在の円安を招いているといえます。

購買力平価への収れん


しかし、長期的には購買力平価に収れんされていくと考えます。

購買力平価でみた為替レートは以下のとおりです。

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購買力平価には3種類あり、実際の為替レートと比較し、以下のような経験則があるといえます。

・消費者物価指数まで円安となることはまずない。
・輸出物価指数まで円高となることはまずない。
・企業物価指数を仲値と考えることができそう。


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円安の目安を探る


さて、企業物価指数を基準として過去の円高時にどこまで企業物価指数から乖離したかを検証してみましょう。

1994年、為替レートの月平均値は企業物価指数から54.42%乖離しました。では現状の企業物価指数から54.42%、逆に乖離したらどうなるのでしょうか。

2022年4月現在、企業物価指数で見た購買力平価では1ドル88.24円です。

88.24円 × 154.42% = 136.26円となります。

最後に


長期的に見て今の円安は限界に近いと考えます。

瞬間風速では140円に乗せることがあるかもしれませんが、長続きはしないでしょう。

ここから外貨建て資産に投資することは危険が伴なうと覚悟しておく必要がありそうです。

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