セル・イン・メイは正しかった!2022年6月は世界株安の連鎖

アメリカの相場格言にSell in May(セル・イン・メイ)というものがあります。
耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
2022年の株式市場は見事にその格言どおりの展開となりました。いったい何か根拠でもあるのでしょうか。
セル・イン・メイとは・・・
セル・イン・メイ。正確には以下のとおりだといいます。
Sell in May, and go away; don't come back until St Leger day.
St Leger day(セント・レジャー・デー)とはイギリスで有名な競馬レースの「セントレジャーステークス」が開催される日を指し、9月の第2土曜日がそれにあたります。
要するに「5月に売って、9月半ばまで戻ってくるな」ということになります。
その根拠としてさまざまな説が飛び交っています。
セル・イン・メイ。その根拠は?
まことしやかに囁かれる根拠としては以下のようなものがあります。
・5月からはヘッジファンドの決算が集中するため売りが出やすい
・アメリカでは1月半ばから税の還付があり、5月まで続くため株式投資に資金が回りやすい
・欧州系の金融機関は年末と中間期末の前に投資のポジションを抑える傾向がある
・そもそも相場格言そのものを信じて、投資家が5月に売りやすくなる
・アメリカでは1月半ばから税の還付があり、5月まで続くため株式投資に資金が回りやすい
・欧州系の金融機関は年末と中間期末の前に投資のポジションを抑える傾向がある
・そもそも相場格言そのものを信じて、投資家が5月に売りやすくなる
などです。どれも明確な証明をすることはできません。
しかし、過去の経験則からそのような傾向が多いということなのだろうと推測できます。
格言どおりの2022年
2022年の株式市場を見れば、セル・イン・メイはまさに正しかったといえます。
アメリカの金融サービス企業であるMSCIが算出している世界株指数は2022年6月、全10業種のすべてが下落しました。
ここ最近好調であった資源エネルギー関連株も大きく売られ5月に比べて約14%下落しています。
下落率は全業種中で最大となっており、相場の変調を示しているかのようです。
また、景気後退に強いとされる生活必需品やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄も売られており、株式市場には弱気の風が吹き荒れました。
以下はアメリカの代表的な株価指数の一つ、S&P500の値動きです。

格言を先どってか4月から下げている印象を受けます。
相場は常にわかっていることを先読みして動きますから、セル・イン・エイプリルが正解かもしれません。
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投資家の現金比率が上昇
2022年5月以降、個人投資家はリスク資産から資金を退避させています。
アメリカの個人投資家が保有する資産に占める現金の比率が20%近くにまで上昇しており、2年ぶりの高水準となっています。
しかし、現金比率が高まっているということは買い余力が増しているということ。ここからは逆にそれほど弱気にならなくてもよいといえます。
2年前にさかのぼれば現金比率が高まった後、株価は大きく上昇していることがわかります。

最後に
海の向こうの国の格言だからといって気にしなくてもいいというわけでもありません。
なにしろ今や世界の株式市場は鎖のようにつながり連動していますから。そしてもちろんその主役は米国株式であることは疑いようがありません。
9月半ばまで戻ってくるなを先読みすれば、9月半ばには上がりだす?
ということは8月が買い場ということになるのでしょうか・・・。神のみぞ知る。
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