期間が長いほど金利が低いという異常が常態化。将来の景気悪化を予言

金利は期間が長いほど高くなるというのが常識でしょう。しかし今、世界でこの常識が崩れつつあります。
アメリカをはじめ、世界各国で長短の金利が逆転する現象が見られています。
いったいこれは何を示しているのでしょうか。
長短金利逆転の原因
それにしてもなぜ長短の金利が逆転するような異常事態が起きるのか。
これはひとえに世界的なインフレ傾向の影響につきます。
インフレを抑え込むために中央銀行が短期の政策金利を引き上げており、その影響で短い年限の国債の利回りが上昇しています。
しかし、長期の物価上昇や景気動向を見据えた長期金利はそれほど上昇していません。
金利が表すシナリオ
アメリカでは2022年3月以降、5年もの国債と30年もの国債の利回り逆転が頻発しています。
短期的にはインフレ率の上昇が金利の上昇を上回るペースで進んでおり、実質金利はいまだ低いままです。政策金利にはまだ上げ余地があるということになります。
しかし、金利の上昇は設備投資を抑制し、景気の悪化をもたらします。要するに中長期的には景気が後退して、金利が低下すると見ている投資家が多いということです。
インフレからスタグフレーションへ、そしてデフレへというシナリオを描いているかのようです。
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疑似バフェット指標(2022年6月末)
2022年も折り返し地点を過ぎました。日本株の居所を確認しておこうと思います。
世界的に株価はボックスの中を彷徨っており、方向感が見えません。
日経平均も上げ下げを繰り返しながら下落トレンドを歩んでいるように見えます。
疑似バフェット指標から日経平均を確認してみます。(疑似バフェット指標についてはこちらをご覧ください。)

日経平均の割高感は薄れてきたようです。
過去の水準から見て、現状は「やや割高」といったところでしょう。コロナバブルが崩壊した今、バブル前の2万5千円割れは再びやってくるものと見ます。
最後に
過去の経験則からも長短金利の逆転は将来の景気後退を示唆していると考えられます。
不景気の株高といいますが、それはコロナバブルとともに去ったといえますから、今後しばらく株価の上昇は期待できないというのが個人的な予想です。
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