貯蓄から投資への流れは進んでいない。こと日本株に限っては・・・

つみたてNISAの浸透や新型コロナバブルによる株式投資ブームで日本にも貯蓄から投資への波が起こってきたと思っていたのですが、実態はそうでもないらしい。
日本株の個人株主比率はこの50年間で半減してしまったというのですから。
ネット証券、スマホ証券の台頭で株式投資は身近なものになったのでは?と思うのですが、身近になったゆえに投資先は日本を飛び越えて海外へ・・・。
日本株への投資といった面ではお寒いものといわざるを得ません。
個人投資家比率じりじり下がる
今から約50年前の1970年には個人株主の比率は4割近くにまで達していたといいます。
その後、上場企業は安定株主を求めて。株式も持ち合いが進み個人株主の比率はじりじりと下がっていったのでした。
バブル崩壊で株式の持ち合いをする余裕がなくなった企業は持ち合い解消に動くのですが、その受け皿となったのは個人投資家ではありませんでした。
バブル崩壊後の株主動向
では誰なのか。
以下は日本株の保有者の推移です。

(出所:日本取引所グループ)
1990年代以降圧倒的にシェアを伸ばしているのは外国人投資家であることがわかります。
金融機関、事業法人、個人が売り、外国法人が買うという構図が続いているわけです。
そして起きたことといえば株主至上主義といえるものです。
日本企業の配当金の支払い推移を見ればそれは明らかだといえるでしょう。

(出所:社会実情データ図録)
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日本株保有の個人投資家はほぼ高齢者
若年投資家を中心に投資家のすそ野は広がっているわけですが、投資先は日本株ではありません。
それは年齢別の日本株保有金額の比率を見れば明らかです。
日本株は60歳以上の人が金額ベースで70%近くを保有しています。一方で、30歳未満に限ればわずか1%にすぎません。
日本株は若年層から完全に見限られているといえます。
日本株の振れ幅は大きくなる
貯蓄から投資の波は起きているのですが、その投資先は日本株ではありません。
高齢者中心に保有される日本株はやがて相続で若者の手に渡る。魅力がなければすぐに換金されて外国株に変えられてしまいます。
つみたてNISAやイデコなど、積立型の投資が広がっているわけですが、投資先が日本ではない以上、日本株は投資家層の厚みがなくなり、今後、ボラティリティが大きくなるのではないかと考えざるを得ません。
外国人投資家が日本株から手を引けば買い手不在で大暴落という可能性も捨てきれない。
2023年は特に注意が必要な年になるのではないかというのが個人的な懸念なのであります。
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