護送船団方式は今だに生きている。投信業界の闇

個人投資家を馬鹿にするにもほどがあるというのが大手投資信託委託会社の運用姿勢なのです。
おとなしく黙っている投資家からはむさぼり取る、あるいは放置プレーというのが日本の大手投資信託委託会社の姿なのです。
それは金融庁の調査分析で明らかにされました。
まったくもって誠意に欠けるとしか思えない態度が見え隠れするのです。
金融庁による調査
金融庁が投資信託の実態について調査をしたといいます。
投資信託といってもアクティブ型と呼ばれるもので、運用担当者が調査分析してベンチマークを上回るパフォーマンスを目指す投資信託です。
運用担当者が面倒を見るわけですから当然コストは高くなる。それは信託報酬という形で投資家が負担することになるわけです。
この度、金融庁は2022年3月末に現存し4年以上運用を続けているアクティブ型投信444本について調査したといいます。
名ばかりアクティブ型投信
すると驚くべき結果が出ました。
アクティブ型444本のうち、指数連動型でコストの安いパッシブ運用型の投資信託の運用成績を上回る投資成績を上げたファンドはわずかに35本しかなかったというのです。
そのほかのファンドは高いコストに見合うパフォーマンスを得られていない。高いコストはいったいどこに消えた?と疑問を感じ、怒りを感じるのが普通の個人投資家の感覚ではないでしょうか。
金にならないものは目もくれず
さらに驚かされるのはパッシブ型を明らかに下回る成績のアクティブ型ファンドが32本あったそうですが、それらのうち28本は国内の大手金融機関傘下の運用会社だったというのです。
パフォーマンスの悪いファンドの信託報酬を調べてみればよく吟味されて決められた形跡もなく、ただ単に横並びで決められていただけ・・・。
金融庁のヒアリングによれば、まともな運用管理を行っておらず、実質放置プレーであったというのですから、もはや職務怠慢としかいいようがありません。
ちなみに極悪ファンドの中に独立系運用会社のファンドは1本もありません。やはり専業ですからプライドもあるし、専門性も高いのでしょう。
サラリーマンファンドマネージャーとは一線を画していると考えられます。
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赤字だけには厳しい視線
最近見られる動きとして投資信託の繰上げ償還が増えていることです。
しかし、これまたその実態に驚くばかりなのです。
繰上げ償還の対象となるファンドはどんなファンドかといえば、ただ単に運用会社の採算に乗らない運用資産が小規模となってしまったようなゾンビファンドばかりなのです。
パフォーマンスが悪くても信託報酬が高くて採算割れを起こさないファンドは放置プレーしながら儲けるというとんでもない姿勢が明らかにされました。
そこには投資家保護や顧客本位といった態度は一切見られないのが実際のところです。
腐ったみかんは取り除かれるべき
大手金融機関そしてそのグループ会社である運用会社はいまだに護送船団体質から抜け出していないと見ます。
金融庁が何を言っても聞いたふりで、実際には聞く耳を持たず、やったふりをしているのが旧態依然とした大手金融機関の姿ではなかろうか。いわゆる面従腹背です。
今後、投資信託に投資する際は気をつけなければなりません。
大手金融機関に属する運用会社の商品はできることなら避けたほうがよいだろうし、信託報酬が高ければなおさら避けるべきです。
顧客本位などというきれい事はしょせん嘘であるに違いない。投資家による厳しい選別によって淘汰されるべきものは消えてもらわねばなりません。
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