日本がバブル崩壊後立ち直れない要因。リコース型ローン

家

2000年代、リーマンショックの引き金ともなったサブプライム問題。

住宅は値上がりし続けるという前提で、本来ならばお金を借りられないような人にも住宅ローンを組ませて、金を貸しまくってわけです。

しかし、住宅バブルの崩壊とともに、話の前提は崩れて金融機関はお金を返してくださいと手のひらがえし。

そんなお金はないってことで多くの人が住宅を手放さざるを得なくなりました。

不動産バブルの崩壊は日本のバブル崩壊と似たようなものですが、日米でその回復力は大いに異なります。

そこにはアメリカと日本の住宅ローンの似て非なる特徴が見てとれるのです。






株価、今だバブル期を下回る


以下は1980年以降の日経平均株価の推移です。

20220718japan.png
(出所:世界経済のネタ帳)

なんとバブルが崩壊してから30年以上経過したというのに、いまだ株価はバブル期を超えておらず、その道は依然として遠いように見えます。

リーマンショックも微調整に見える上昇


一方で、アメリカはどうでしょうか。

以下はNYダウの1980年以降の推移です。

20220718US.png
(出所:世界経済のネタ帳)

2000年代後半、アメリカの株価もサブプライム問題とリーマンショックによって大きく下落しました。

しかし、その下落が大したこともないかの如く思われるほど、その後の株価上昇が著しい。

いったいこの違いはどこから来るのでしょうか。

日本の常識


要因の一つとして考えられるのが、日米の住宅ローンの性質が大きく異なることです。

例えば、日本では5千万円借りて、住宅が値下がりして3千万円になってしまったとします。

住宅を売却しても2千万円足りません。しかし、借金を返せなくなれば売却をせざるを得ない。そして、2千万円の借金だけが残るのです。

手元には何もないのに借金を返し続けなければなりません。日本ではこれが常識です。

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アメリカの常識


しかし、アメリカの常識は日本とは違います。

5千万円借りる際に、住宅を担保に入れるわけですが担保価値の目減りは借りた人の責任ではないというのがアメリカにおける住宅ローン返済における考え方です。

借金が返せなくなったら家を金融機関に差し出せばよい。

それが3千万円の価値しかなかったとしても、5千万円借りるときの担保だったのだから差額の2千万円は金融機関の責任だというのがアメリカにおける考え方です。

要するに家は手放さざるを得ませんが借金は残りませんということです。

再起不能になりやすいのは・・・


アメリカ型の住宅ローンはノンリコースローンといいます。一方、日本型はリコースローンです。

職を失ったりして住宅ローンを返せなくなった場合、どちらが精神的に立ち直りが早いか?

想像してみればわかるでしょう。

日本型では家を失った挙句に借金だけを返し続けなければならない。復活には長い年月がかかることは明らかです。

一方でアメリカ型ならば気分を一新して再チャレンジがしやすいのではないでしょうか。

最後に


無論、ノンリコースローンが一方的に優れているわけではありません。

リスクを金融機関が負う以上、金利はリコースローンに比べて高くなります。

また、借りる人も安易な気持ちで借りやすくなるため、バブルが発生しやすくなるといった負の側面もあるでしょう。

しかし、バブル崩壊後の日本の落ちぶれぶりを見るにつけ、借金だけが残るリコースローンの弊害が日本の長期停滞を招いたと考えることができるのではないでしょうか。

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