金融業界の懲りない面々。法律お構いなしの金儲け

ほんの数年前、節税だけが目的といえる保険販売が大いに問題となりました。
払い込んだ保険料を法人の損金に算入し、巧みに法人税逃れをする。保険の面はかぶっていますが、その目的は保障ではありません。
2018年ころには生命保険の新規契約のうち約3割を占め、さすがに税務当局の堪忍袋の緒が切れた。
損金算入の方法も見直され、すっかり鳴りを潜めていたかに見えたのですが・・・。実はそうでもなかったのでした。
懲りない面々
外資系生命保険会社、マニュライフ生命が2022年7月中旬、金融庁から業務改善命令を受けました。
処分の原因となったのは節税保険の悪用です。数年前に注意喚起され、他社は販売を自粛していたのですが、マニュライフ生命は節税保険を性懲りもなく売っていたというのです。
しかも税務当局の裏をかく、巧みなテクニックで税逃れをするという脱法行為です。
仕組まれたスキーム
問題視されたのは名義変更プランなるサービスです。
最初は法人が生命保険(定期保険)の契約者となりますが、解約返戻金が少ないうちに名義を法人から個人へと変更します。
解約返戻金が多くなった頃に解約し、税負担が軽い一時所得として解約返戻金を受け取るというスキームです。
再三の注意喚起にもかかわらず、保険本来の目的を逸脱し、税法の抜け穴を狙って税負担を少なくする手口が使われました。
経営陣(退任済)が主導し、商品開発、営業推進をしていたことで、行政処分にまで発展することになったのです。
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認可を受ける際はおとなしく
保険商品を開発するにあたっては金融庁の認可が必要です。
しかし、認可を得る際には名義変更を行う前提があることなどを当局に告げるはずもありません。
そして認可後、蓋を開けてみれば名義変更ばかり行われる・・・。
金融庁も性善説であったのか、そこまで見通すことはできませんでした。
最後に
これではまるでタヌキとキツネの化かしあい。いたちごっこといったところでしょうか。
全てとはいいませんが、一部保険会社は完全にモラルハザードに陥っており、金儲けのためなら法の抜け穴を探しまくるという体質が改めて浮き彫りとなりました。
真面目に税金を払っている人がバカらしくなるような抜け穴はどんどん埋めていってもらいたいもんです。
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