アフターコロナ。世界経済は急激に腰砕け、その原因は・・・

世界経済が混迷を深めてまいりました。
不景気の株高という言葉がありますが、これは不景気になると金利が下がるので、相対的に株式の魅力が上がるということです。
しかしながら、最近の動きは不景気でも金利が上がるという状況に陥りつつあります。
不景気の株高どころか、不景気の株安につながりかねないリスクをはらんでいるように思えます。
不気味な予測
2022年7月26日、IMFが世界の経済成長率見通しを再び引き下げました。
IMFは基本シナリオのほかに起こる可能性の高い代替シナリオを示したわけですが、それによれば2022年の成長率は2.6%と低調です。
2023年はさらに悪化し、2.0%としています。
これがいかに低成長か。過去の実績を見てみればわかります。

(出所:社会実情データ図録)
コロナ禍を除き、ここ40年間で3%を切っているのはわずか2年しかありません。
ロシアが資源価格を押し上げる
世界経済の足枷となっているのはいったい何なのでしょうか。
日本はコロナで今だマスクが手放せない生活が続いていますが、世界は既にその時期を脱しています。
世界陸上を見ても、観客はほとんどマスクをしていませんでした。ごく稀にいた程度です。
それなのになぜなのでしょう。
まず、第一にロシアのウクライナ侵攻の影響です。
ただでさえインフレ傾向にあったところ、ロシアの天然資源が世界に出回りにくくなったことでさらに資源価格が上昇してしまいました。
それは天然ガスの先物価格を見てもよくわかります。

2021年後半から落ち着きを取り戻しつつあったのに、ロシアが世界経済へ完全に水をさしたといえます。
サプライチェーンがズタズタに
第二に世界的なモノ不足がインフレを起こしているということです。
米中新冷戦でサプライチェーンの寸断が生じていたところ、コロナ禍がそれに拍車をかけたといえます。
世界的な人手不足を挙げる声をあります。しかし、本当にそうかは疑わしい。
世界の労働人口は右肩上がりで増えています。

GraphToChart. 「グラフで見る日本の人口推移(過去と未来・将来の推測まで)と一覧表」. 最終更新:2021-03-15. https://graphtochart.com/population/japan-transition.php,(参照日時:2022-07-27)
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中国の人件費高騰
高齢化が進む先進国では確かに労働人口が減少しており、失業率は低下傾向にありますが、欧米とりわけ南ヨーロッパの失業率は依然として高いといえます。

(出所:社会実情データ図録)
産業と労働者の偏在が労働力不足を生んでいる面があるとは思いますが、高インフレをもたらすほどではないと考えます。
むしろ中国の人件費が想定以上に早く上昇してしまい、新たな生産拠点を探さねばならないが、そのスピードが追い付かないといったところではないでしょうか。
中国の人件費はここ20年で3倍に増えており、新興アジア諸国の中ではトップクラスです。

(出所:経済産業省)
最後に
世界経済はカオス化しています。このままインフレが収まらず、金利の上昇が続けば、不景気の株安へと転落する危険が高まっていると見ます。
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