生保営業職員の勉強不足で損失発生の危険。お宝保険の活用法

公的年金の受給年齢を繰り下げることで、受給額が増額となるのはよく知られた話です。
一方で、生命保険会社が販売している私的年金である個人年金保険についても、多くの場合、公的年金同様に繰り下げ受給ができることは案外と知られていません。
予定利率が高い1990年代に契約した個人年金保険については繰り下げ受給による増額効果が特に大きい。
このようなお宝保険を持っている人にとって、繰り下げは大いに検討に値する資産運用になります。
1990年代の高金利
これから個人年金保険の年金を受給する人は、多くの場合1990年代に加入したのではないでしょうか。
1990年代はバブルが崩壊したとはいえ、今と比べればまだまだ金利が高かった。
1990年代前半には5%を超える予定利率を約束していた保険が多かったと記憶しています。
ところで、予定利率という言葉には注意が必要でしょう。
保険会社に支払った保険料は2つに分解されます。将来の保険金支払いのために積み立てられる純保険料と、保険会社の経費を賄うための原資としての付加保険料です。
予定利率は、純保険料を運用するにあたり保険会社が約束する利率であり、保険料はその分をあらかじめ差し引いて払い込んでいるというわけです。
なお、保険会社が払い込まれた保険料のうち、どれだけを純保険料とし、どれだけを付加保険料にしているかは、企業秘密であり契約者に知らされることはありません。いわばブラックボックスです。
高齢労働者増加中
個人年金保険契約者の多くは、年金受給開始年齢を60歳か65歳にしているのではないでしょうか。
しかし、最近は65歳まで働く人が多いし、65歳を過ぎても働いている人が増えています。(これがしあわせといえるかは別問題だが・・・)

(出所:社会実情データ図録)
ということは別に当初計画していた年齢で受給を開始しなくても経済的に困る人は少なくなっているといえます。
高金利で確実な資産運用
当初想定していた年齢を超えて働く人は個人年金の年金受給を遅らせるというのが将来の資産を膨らませる有力な選択肢となります。
とりわけ1990年代のお宝保険を契約している人は検討すべきでしょう。
なぜなら繰り下げることによって増額となる金額は、当初契約時の予定利率を基礎に計算されるからです。
最近は多少金利が上昇したとはいえ、まだまだ日本は低金利であり、今後も金利を大幅に引き上げられるような経済状況ではありません。
その中にあって、予定利率5%前後で確実に増える資産運用などほかにはないといってもいいでしょう。
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生保職員の職務放棄
しかし、問題だと思えるのはそういった仕組みを知らない生保営業職員が少なからずいるということです。
中には、繰り下げが可能か営業職員に聞いたところ、そんなことをしている人はいませんと言われたというようなケースがあったといいます。
もはや職務放棄ともいえる回答であり、顧客の利益などなんとも思っていないのでしょう。頭の中は新規契約のことで一杯であり、釣り上げた魚には興味などない。
すべてとは言いませんがそれが多くの生保営業職員の実態ではないでしょうか。
最後に
個人年金保険の受給開始の案内が届いたら、自分が契約した時期を確認してみたほうがよいでしょう。
そして、1990年代前半であったなら、繰り下げを選択の一つとして検討すべきです。
また、その際は営業職員の話を鵜呑みにしてはいけません。多くの職員は勉強不足か、顧客本位ではない可能性が高い。
自分でじっくり研究、検討すべきです。
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