この円安でもメガバンクは外債で巨額含み損。いったいなぜ?

ドル

多少円高に揺り戻したものの、1ドル134円といった水準はひと頃に比べれば、かなりの円安水準であるといえます。

しかしながら、外国債券に投資していれば為替差益でかなりの利益が発生しているものだと思うとそうでもないのですから意外です。

3メガバンクは2022年6月期で外債投資における含み損を2.6兆円も抱えているといいます。この円安下でなぜそんなことになってしまったのでしょうか。






メガバンク、外債の含み損膨らむ


三菱UFJ、三井住友FG、みずほFGの2022年4~6月期の決算によれば、3行合わせて外債の含み損が2.6兆円にもなったということです。

ちなみに、三菱UFJが約1.2兆円、三井住友が約0.7兆円、みずほが約0.7兆円となっています。

2022年3月末は1ドル120円台前半、6月末は約135円と10円以上円安が進んだのに、含み損は1.7兆円から2.6兆円にまで膨らんだのです。

金利と債券価格


これは債券価格は金利が上昇すれば下落するということに起因します。

米30年国債先物は2022年3月末は150ドル前後だったのに6月末には143ドルほどに値下がりしています。

メガバンクは4月から6月の間にも追加で投資していたものと推測します。単純に計算はできませんが、結果的に為替差益よりも債券の値下がり損の方が大きくなってしまったということなのでしょう。

今は昔


話は横道にそれますが、日本の銀行の凋落は世界の株式時価総額ランキングを見てみればわかります。

20220805jikasougaku.jpg
(出所:社会実情データ図録)

バブル期にはメガバンクになる前の段階で日本の銀行が世界の株式時価総額のトップに軒並みひしめいていました。

それが2022年を見れば・・・。

影も形もございません。銀行ばかりではなく他の産業についても同様です。

かろうじてトヨタが38位に入っていますが、ただそれだけです。日本の会社の世界での存在感は悲しいほどに小さくなってしまいました。

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生保はどうか


日本の生保は2021年の11月あたり、1ドル115円前後のとき、為替ヘッジ無しで大量の外債投資を行っています。

この投資は報われているのでしょうか。

米30年国債先物は2021年11月、160ドルあたりでした。それが2022年6月末には143ドルくらいに値下がりしています。

当初、115×160=18400、そして2022年6月末、135×143=19305。

なんとか評価益を維持していると推測できますが、あまり儲かってはいないといえるのではないでしょうか。

最後に


プロの投資家だからといって、必ずしも相場の波をうまくくぐり抜けられるとは限らないようです。

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