インフレ禍のアメリカで起きていることはいったい・・・

国際的なインフレ傾向の中でも日本はなかなか物価が上昇しません。
長らくデフレに苦しめられてきた日本は物価の上昇に極端なアレルギーがあります。なにしろ給料が増えない中、増税や社会保障負担増に苦しめられてきたのですから当たり前です。
日本にいては世界の状況はわかりません。世界経済の中心は今もアメリカです。そのアメリカで今何が起きているのかを見てみましょう。
アメリカ版100円ショップの隆盛
100円ショップは日本だけのものだと思えばさにあらず。アメリカにも1ドルショップなるものが存在します。
この1ドルショップ、従来は低所得者層をターゲットに成長してきました。
ところが昨今の物価上昇により、顧客層に広がりが見られます。中所得者、高所得者でも1ドルショップを利用する人が増えてきています。
なにしろ日本に比べてアメリカの物価上昇率は高い。

(出所:世界経済のネタ帳)
アメリカの場合は、物価上昇につれて、賃金も上昇しているのが救いではありますが、それでも報われない人はいます。
アメリカ人の可処分所得に対する貯蓄率は2021年6月には9.5%だったのに、2022年6月には5.1%にまで下がってしまいました。
物価高騰で貯蓄に回せるお金が少なくなってしまったということです。これは日本も同じだといえるでしょう。
ギグワーカー急増中
また、物価の上昇に耐えかねて副業をする人が増えています。
アメリカではウーバーで働く人が急増しており、500万人近く!が働いているといいます。
このような人々はギグワーカ―と呼ばれるわけですが、その収入は日本とはけた違いに大きい。時給換算で5000円近くを稼いでいると見られ、副業でかなりの金額を稼いでいると思われます。
やはりこれはアメリカ経済が順調に成長している影響なのでしょう。
以下は1人あたりの名目GDPの日米推移です。

(出所:世界経済のネタ帳)
バブル崩壊後、一時期、日本がアメリカを抜いたわけですが、これは円高の影響によるものです。
また、その当時の日本の物価は高かったため、実質的な豊かさを示す購買力平価でみた1人あたりのGDPは一貫してアメリカが日本を上回っています。

(出所:世界経済のネタ帳)
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統計の疑惑
アメリカの失業率は2022年7月、3.5%にまで低下しました。
これは歴史的に低い失業率だといえます。

(出所:世界経済のネタ帳)
しかし、この数字にはいささか疑問符がつくという指摘があります。
一つの仕事では稼ぎが少ないため、ダブルワーカー、トリプルワーカーといった掛け持ちで仕事をする人が増えています。
この数字が重複されてカウントされている可能性があるというのです。
10人いたときに実際には5人しか仕事をしていなくても、5人が2つの仕事を掛け持ちしていた場合、10人全員が働いているとカウントされている可能性が指摘されています。
社会参加へのあきらめも
また、失業率が実態以上に低くなっている原因として、非労働人口の増加が指摘されています。
職探しをあきらめたために労働人口としてカウントされなくなっている人が増えているというのです。
とりわけ、低学歴の中高年にその傾向が高いと見られており、ゆゆしき問題だといえるでしょう。社会全体に不満が鬱積する可能性があるからです。
最後に
日本とは状況が違うものの、アメリカもまた苦しんでいるといえます。
世界経済は軍事情勢同様、混沌としています。このカオスから脱出できるのか?
当面できそうにないし、脱出できるかどうかさえ定かではないように思えます。
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