高配当株なら何でも良い相場は終了。高配当株の罠

株価

世界的に企業業績が悪化しています。2022年4~6月期、世界の主要上場企業4500社の純利益は前年同期と比べ7%の減益となりました。

2022年7~9月期は12%増に転じる予想となっていますがあてにはできません。

金融市場の動向やウクライナ情勢、アジアでの軍事情勢の不穏な動きと世界の不確実性は高まっています。現時点で将来を見通すことは困難を極めています。






業績悪化と株式市場


とりわけ不振なのは自動車、機械、電機など存在感が高い産業です。

世界的な半導体の不足、中国のロックダウンなどが響き、減益幅が大きくなっています。

企業業績の悪化を受け、日本の株式市場にも変化の兆しが見られます。

2022年に入り株式市場が低迷する中、比較的好調だったのは高配当銘柄でした。株式市場が軟調になっても配当利回りが高い銘柄は下落幅が限られるからにほかなりません。

守りを固めた株式投資のスタンスが高配当銘柄好調の原動力だったといえます。

高配当株優位の市場


以下は2022年1月初めを100としたときの、ある高配当ファンドと日経225ファンドとの値動きの比較です。

20220810kouhaitou.jpg

日経225ファンドは年初の水準を下回りますが、高配当株ファンドは年初の水準を上回っていることがわかります。

2021年から2022年前半までは明らかに高配当銘柄優位の市場だったといえます。

個人的にも昨年後半あたりから成長株は鳴かず飛ばずの中、高配当銘柄は値崩れすることなく、むしろじり高を続けていました。

成長株だけに投資することの危険性をあらためて感じるとともに、配当による下支えの安心感を再認識させられました。

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減配、無配転落のリスク


ところが、2022年半ば以降、にわかに高配当株にも暗雲が立ち込めてまいりました。

いや、正しくは高配当株に危機が迫っているということではなく、高配当を維持できる銘柄かどうかが厳しく選別されるようになったというのが正しい表現でしょう。

世界的な資源高そして円安で、コストが思った以上に上がり、利益を上げづらくなった銘柄の減配リスクが高まっています。

具体的には素材産業や電力株などです。

配当の原資は最終的には企業の利益が源泉となります。その利益が萎めば当然、高配当も維持できなくなります。

投資家はその選別に入る局面となりました。業績悪化で減配あるいは無配に転じる企業の株は叩き売られることになるはずです。

最後に


高配当株を狙うなら配当利回りだけに注目してはならないということになります。

激変する経済環境の中でも安定的に利益を上げられる銘柄か。この一点の見極めを誤ることがなければ依然として高配当株の優位性は保たれていると考えられます。

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