オフィス賃料下落もいよいよ終結近し。そして外資が不動産買い漁り

ウイルスがオフィス市場の市況を一気に変えることになろうとは3年前には考えられなかったことです。
この2年でオフィス不動産の市況は変貌し、弱気色に染まりました。
しかし、その流れもいよいよ終わりが迫ってきているようです。
オフィス不動産の苦境
2022年7月時点で、東京都心のオフィス賃料は2年前に比べて1割以上下落しています。
賃料の下落は24か月連続以上・・・。これはリーマンショック、東日本大震災以来のことです。
コロナ騒動によるテレワークの推進、オフィスの縮小化によりオフィスの空室率は徐々に上昇し、2%割れから6%以上へと跳ね上がりました。
もっともコロナ騒動前の不動産市況が強すぎたという面もあり、その反動が出ただけという見方もできるでしょう。
需給動向は楽観できず
また、2023年にはコロナ騒動前に計画された新規オフィスの大量供給を控えています。
東京都心では床面積で82万平方メートルものオフィスが新たに供給される予定です。このような市況の中では貸し手は弱気にならざるを得ません。
空室となるリスクを避けるため、賃料を抑えてテナントの確保に動いており、賃料の下落圧力はなかなか下がりそうもないようです。
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流れに変化が
しかし、ここに来てその流れにも徐々に変化が表れてきています。
空室率の上昇ペースは明らかに鈍っており、2022年に入ってからはほとんど横ばいと言ってよい状況となってきました。
賃料の値下がりのペースも緩やかになっており、もうしばらくで下落も止まりそうな気配です。
海外投資家にとっての魅力
最近では日本の不動産に外資系企業やファンドが目を付けてきています。
要因は2つです。
まず、日本は相変わらず低金利であり、欧米のように金融引締に転じるほど過度なインフレに陥っていません。
日本は引き続きデフレ圧力が強く、今、金融引締をしたら再びデフレの深淵に落ちることになるでしょう。
それは外資系企業やファンドにとって、日本円の調達金利が安く済むことを意味します。当然、不動産収益との利回りのスプレッドは大きくなり、魅力的な市場であるといえます。
また、円安が海外の投資家にとって魅力的に感じられています。
同じ1ドルでも、たくさんの円を買えるのですから当たり前です。円安で海外投資家は安く日本の不動産を買い叩くことができる。これも大きな魅力だといえます。
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オフィス系Jリートに出遅れ感
そして海外の投資家が目を付けているのがオフィスや住宅などです。
市場規模が大きい、あるいは安定した利回りが見込めるといったことがその理由であろうと考えられます。
海外リートは金利上昇により、相対的に魅力が薄れて、売られ気味です。その中にあって、日本のリート市場は特異であるといえます。
さて、実際のところ日本のオフィス系Jリートの値動きはどんな感じなのでしょうか。
時価総額が大きいオフィス系Jリート2つを見てみましょう。
●8951 日本ビルファンド投資法人

●8952 ジャパンリアルエステイト投資法人

そして以下は東証リート指数の推移です。

オフィス系は全体の指数に比べて出遅れていることがわかります。
しかし、今後はオフィス系Jリートが見直される可能性が出てきたといえるのではないでしょうか。2023年、オフィス系Jリートの華麗なる復活が見られるかもしれません。
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