サブスクにも見える世代間格差。金にシビアな世代は・・・

テレビ

コロナ禍において外出が減る中で急激に利用者を増やしたのが、定額での動画配信などに代表されるサブスクリプション契約です。

しかし、意外なことにその利用者急増は一過性にとどまり、現状の利用者数はコロナ前の水準に行って来いとなりつつあります。

いったいなぜ一過性のブームに終わってしまったのか、どのような背景が隠されているのでしょうか。






巣ごもり消費でサブスクブーム


あれほど右肩上がりで会員数を増やしていたネットフリックスの会員が減少に転じたのは1年ほど前だったでしょうか。

コロナ禍における巣ごもり消費の一環として動画などのサブスクは一時期急激に契約者を増やしました。

2020年10月にはコロナ騒動前に比べて契約者は約1.5倍にまで増加したのです。

確かにその頃、家電量販店に行っても、AppleTVやFireTVstickなどは軒並み売り切れだったと記憶しています。

また、ホームシアターで見たいという人も多かったのでしょう。プロジェクターも売り切れ続出と言った感じでした。

サブスクブームは嵐の如く去る


ところがこの状態は思いのほか短かったようです。

2021年に入り、サブスク契約者は早くも減少に転じたのです。これはコロナ感染者が2021年に入り、いったん大きく減少した影響だと思われます。

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(出所:社会実情データ図録)

コロナ飽きもあり、リアルな空間でのリベンジ消費が復活するとともに、一時のサブスクブームは去ったものと考えられます。

2022年半ばの段階で、サブスク契約者はコロナ前よりも1割増といったところであり、新型コロナによる追い風はあっという間に消え去ったと見ることができます。

依然として年功序列は残る


とりわけ契約が減少しているのは20代から30代の若年層です。サブスク契約者はコロナ騒動前をむしろ下回る水準にまで落ち込みました。

様々な要因が考えられますが、ここでは賃金の伸びに焦点を当ててみたいと思います。

日本はここ30年、まったくといっていいほど実質賃金が伸びておらず、世界各国に比べて相対的にどんどんと貧困化しています。

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(出所:内閣官房)

また、日本の賃金の特徴として、若い世代は安く抑えられるというものがあります。

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(出所:内閣官房)

全体として賃金が伸びない中、若者は低賃金を受け入れざるを得ないという厳しい現実があります。

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サブスクにも世代間格差


当然、若年層ほどお金に対する考え方はシビアかつ現実的となります。

その証拠に、サブスクの契約者数は減少傾向にあるものの、1人当たりの単価は上昇傾向です。

これはいったいなぜなのなのか?

比較的経済的に恵まれた60代以降の契約者はサブスクを解約することもなく、むしろ単価は上昇しているのです。

薄気味悪いグラフ


世代間のお金に対する考え方の違いがサブスク契約の動向にも反映されていることがわかります。

若年層の貧困化が進めば、結婚する人が減り、ますます少子化が進むことは疑いようがありません。

また、失業率を年代別に見た場合、若い世代は平均を大きく上回っているのが実態です。

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(出所:社会実情データ図録)

注目すべきは25歳から34歳でしょう。人手不足であり、雇用環境も好転した2013年以降も相対的に増えている。

これは一体何を意味するのか・・・。不気味としかいいようがありません。

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