2024年の新NISAスタートに暗雲立ち込める。NISA、政治に振り回される

2024年1月から新NISAがスタートするはずでした。その制度内容もほぼほぼ固まっていたものだと思っていたらとんでもない。
NISAは、岸田政権の資産所得倍増計画の目玉となりそうであり、その制度はちゃぶ台返しのようにリセットされそうなのです。
金融機関の中にはシステム開発がスタートしているところもあるはずです。投資家としては新制度が優れものになることに期待しますが、果たして2024年にスタートすることは可能なのでしょうか?
雲行きが怪しくなってきたと思わざるを得ません。
NISA、政治に振り回される
岸田政権が掲げた資産所得倍増計画は金融庁としては積年の願いをかなえる格好のチャンスだったに違いありません。
そして、岸田政権としては有権者の支持を集める客寄せパンダに使えると考えたに違いない。そして、両者の思惑は一致したのでしょう。
かくしてNISAは政治利用されたのです。
金融庁、渡りに舟状態
金融庁は2023年度の税制改正要望としてNISAの恒久化を打ち出す方針です。
金融庁にとって、NISAの恒久化はNISAが始まったときからの悲願だったのです。しかし、その悲願が実ることはこれまではありませんでした。
ところが、にわかに情勢が変わったのです。岸田政権が打ち出した資産所得倍増計画なるものにNISAの恒久化はピッタリと当てはまる。
倍増などとはいかないでしょうが、それなりのメリットを投資家に与えることができるはずです。
これまでは資産を持っている人しかメリットを得られないなどという批判にさらされて、金融庁の要望は却下され続けてきました。
しかし、つみたてNISAの人気が高まっているなど、若者に投資ブームが起きています。これから資産を増やしていく人にもメリットがあるのですから、上記の批判は的外れになってきました。
複雑怪奇な新NISA
現状、予定されている2024年からの新NISAは2階建てになるなど仕組が複雑でわかりにくい。
(関連記事:NISAの制度改正がより具体的に判明してきた)
制度がわかりにくければ使い勝手が悪くなり、利用者が減る。邪推ですが、税収減を防ぎたいという財務省の思惑には複雑怪奇な制度は願ったりかなったりなのです。
ある調査によれば、新NISAについて70%以上の人がわかりにくい、わからないと考えているそうです。
まさに財務省の思うつぼといったところでしょうか。
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資産所得倍増どころか半減
日本証券業協会が考えている案は新NISAの上限を240万円に、つみたてNISAの上限を60万円とし恒久化するというものです。
併用も可能であり、300万円の非課税枠を作るということになります。
恒久化されれば、わずらわしいロールオーバーなどという手続きも不要ですから投資家にとってもありがたい。しかし、期間の縛りが無くなるとはいえ、現行NISAと比べて金額が小さすぎるのはいただけない。
現在、NISAは年間120万円×5か年=600万円なのですから、上限は600万円を下回ってはいけないと思います。資産所得倍増どころか、資産所得半減となってしまいますから、計画は噓八百となります。
そして、売却したNISA枠は何度も繰り返し使えるようにすべきでしょう。
最後に
2024年からの新NISAのスタートは本当に可能なのか?
あまりに時間がなく、金融機関が対応できないのではないかとの危惧がぬぐえません。
とにかく、資産所得倍増という言葉を裏切らない制度設計を望みたいものです。
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