周回遅れの株主至上主義。海外投資家の草刈り場としての日本市場

株価

アメリカは行き過ぎた新自由主義、株主資本主義からわずかながら脱却を進めています。例えば、先日報道された自社株買いに対する課税などです。

法人税減税に歯止めをかけようという動きもその一環でしょう。当然、海外の投資家にとっては逆風であり、投資に対するリターンが小さくなると予想できます。

そこで、巨大投資家たちは新たなる草刈り場を探しています。その一つが日本なのだといえるのではないでしょうか。

ここに来て、日本においても株主資本主義の典型ともいえる自社株買いに新たなる手法が導入されています。それは自社株買いを確実に行わせ、株主の利益を増加させようという動きでもあります。






自社株買いは難しい


日本の上場企業の2022年1月から8月までの自社株買い設定枠は7兆円を超え、前年比で約6割増と急増しています。

しかしながらこの自社株買い、実際に上限まで株を取得できないケースが多いのが現実です。

自社株買いの期間中に、インサイダー情報が発生した場合、その情報が公にされるまで自社株買いができないからです。

自社株買いをするために秘密裏に進めている事業について公表し、ライバル企業に知れ渡ることになってしまえば本末転倒の事態です。

自社株買いも大事ですが、もっと大事なことがあるのですから無理もないのです。

新たなる自社株買い手法の登場



しかし、それでは満足できないのが海外投資家を中心とした強欲投資家です。企業になんとか自社株買いをさせて、自己資本を減らし、株主資本利益率(ROE)を上げさせたい。

そんなわけで、日本にも新たなる自社株買いの手法が取り入れられてきています。

それは野村証券が考案した加速型自社株買いスキームの一つである「コミットメント型自己株式取得」なる手法なのです。

具体的なスキーム


具体的手法は単純化すれば以下のような感じとなります。

1.野村証券が対象会社の株を貸株市場で借りてくる。

2.借りた株を同社に立会外取引で売却する。

3.野村証券は借りた株を返すために市場で同社の株を買い集める。

実際には上場会社は野村グループの野村キャピタル・インベストメントに新株予約権を付与して株価の動向によって買い付けた自社株の一部を交付したり、しなかったりするという少々複雑なスキームです。

「安いニッポン」が日本を大復活させる [ 武者 陵司 ]

価格:990円
(2022/9/10 21:52時点)



日本市場は草刈り場に


このスキームを使うことで自社株買いが確実に行われるというわけなのです。

ところでこのスキームを検討している会社にはある共通点が見られるのです。

それは海外投資家の持株比率が高いということ。自社株買いに対する規制が厳しくなってきているアメリカ市場のほかに、新たなるブルーオーシャンを探しているとしか思えない動きです。

日本は欧米の動きに対して、周回遅れとなりがちなことから依然、新自由主義や株主資本主義の流れが続いており、それを利用しようとしているに違いありません。

逆にいえば利用するためには日本を引き続き新自由主義、株主資本主義の中に押し込めておく必要があるといえます。

ロビー活動にも長けた海外投資家は日本市場を草刈り場とするための規制緩和を引き続き求め続けると推測できます。

最後に


日本人はどうすればよいのでしょうか。

この流れはまだまだ続くと考えれば、逆手にとって利用するほかないっ!具体的には外国人株主が多く保有している会社の株を買っておけばよいということになります。

零細個人投資家としては漁夫の利を狙うほかないのであります。

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

【関連記事】
アメリカ、株主資本主義の是正へ微妙に動き出す。やったふり?それとも・・・
米国株一極集中投資の恐怖と落とし穴
アメリカ株、ひたすら自社株買いで株価を支え続ける
株安への道。株主至上主義・市場原理主義からの転機迫る
財政破綻論の嘘と株主資本主義でアメリカ人の格差は極大化
借金までして配当、自社株買い。そして債務超過とは・・・
自社株買いは是か非か。投資に冷や水をぶっかける岸田政権
岸田政権、早くも国民を裏切り始める。移民受入拡大で賃金ダウンへ
「規制緩和」という言葉に騙され続けた日本人。そして外国の草刈り場へ

矛盾社会序説 その「自由」が世界を縛る [ 御田寺圭 ]

価格:1,870円
(2022/9/10 21:49時点)






関連記事

コメント

非公開コメント