財務省、ステルス財政破綻論での洗脳へと作戦変更か

新聞

財務省はじり貧の新聞業界をプロパガンダ機関に利用するために、消費税の軽減税率の対象として恩を売りました。

貧すれば鈍する。本来であればそんな施しを受けるべきではないはずなのに、右肩下がりで沈没寸前の新聞業界はその毒まんじゅうをあっさりと食べてしまいました。

もはや新聞業界は財務省の意のままに動くプロパガンダ機関と化したと理解してよいでしょう。

しかし、多様な情報源が存在する現代社会で、あからさまなプロパガンダが通用するはずもありません。

そこでどうやら財務省は、洗脳工作の作戦を変更しているとしか思えないのが最近の新聞報道の動きなのです。






モラルなき財務官僚


2021年11月号の文藝春秋に当時現役の財務事務次官が「財務次官、モノ申す『このままでは国家財政は破綻する』」というわけのわからない論文が掲載されたのでした。

この論文は矛盾だらけの論文であったために、有識者から散々叩かれたあげく、日本で財政破綻など起こりえないということが逆に明らかとなるという、まさにギャグマンガのような様相を呈しました。

この論文を書いたY氏は大層な給料をもらっているはずなのに、写真週刊誌ではスーパーマーケットでポリ袋をぐるぐる巻きにして大量に持ち帰る写真が掲載されたりもし、話題をさらったものです。

モラルなき変わり者の言うことだからある種仕方がないとあきらめるほかないのでしょうか。

日本が財政破綻する可能性などありえないという事実をあからさまにした点では、皮肉ではありますが評価されるべき人物だということもできます。

裏目に出た矛盾だらけの論文


この論文の欠陥が財政破綻論の嘘を決定的にしたため、財務省もあからさまに新聞やテレビを使った財政破綻論の煽りを展開することは難しくなりました。

嘘の重ね塗りをすることは得策ではないと考えたものと推測します。

そこでどうやら作戦変更で戦術を変えたと思われます。

具体的には、新聞紙面上であからさまな財政危機論を煽るのをやめ、ちょっとしたコラムなどで誰かに言わせる、あるいは財政破綻を連想させる過去の出来事や他国の事例などを掲載する手法がとられています。

いわばサブリミナル効果のようなものです。

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ステルス作戦への変更


2022年9月18日の日本経済新聞第5面、風見鶏というコラム欄に『「戦時国債」の苦い記憶』などという記事が掲載されておりました。

1930年代に日中戦争の戦費として発行された戦時国債が紙屑と化したことを引き合いに現在の状況に対して危機を煽っているのです。

大戦中、戦時国債は日銀が3分の2程度を引き受けたとのことですが、これは米英に比べて多く、それが戦後のハイパーインフレをもたらしたというのです。

まったくの事実誤認だといってよい話です。

知ってか知らずか、事実捻じ曲げ


日本が戦後、激しいインフレに見舞われたのは、アメリカが日本の工場を空襲で徹底的に破壊し、日本の生産力が著しく低下したからにほかなりません。

モノを作りたくても作れない、一方でモノを欲しがる人はたくさんいる。これが戦後の高インフレの原因であり、戦時国債とはなんら関係がない。

要するに戦争に負けてボロボロにされたからインフレになっただけなのです。

それを戦時国債とインフレを結び付けようとする新聞の意図は概ね想像はつくのであります。

現に本土が戦場にならなかったアメリカにおいては戦後、激しいインフレに見舞われていません。

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(出所:TRADING ECONOMICS)

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財務省の意図は見え見え


さて、財務省そしてその意向を忖度した新聞の真の意図はなんなのでしょうか。

日本は中国、北朝鮮、ロシアといったならず者国家に囲まれており、今後、国防力を増強させていかねばならないことはほとんどの日本人が賛同するところでしょう。

それには当然お金がかかる。その財源論に釘を刺したいのが財務省の意向であることは疑いようがありません。

現に紙面上には以下の記載があります。

『財務省幹部は「国債発行は財源探しにはならない。財源の大半を国債に逃げられるなら苦労しない」と指摘した。』

国防予算の増額はやむを得ないと認めつつ、それを国債で賄うのはまかりならぬを言っているわけです。となれば、財源は増税ということになるでしょう。

財務省は国民を脅迫しているわけです。

国防力をアップしたければ増税に耐えよ、増税がいやなら侵略に耐えよ、と。

どちらにせよ国賊的発想にほかならない。こんな時期に増税すれば国力は弱まるのは目に見えているし、国防力を増強しなければ、日本はいずれ中国の属国となる可能性が高い。

財務省は日本人の敵だといえるし、そのプロパガンダをせっせと垂れ流す大新聞もまた日本人の敵であるとしかいいようがありません。

近年、新聞の発行部数は世帯数の増加にもかかわらず着実に減少しています。

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(データ出所:日本新聞協会)

これは新聞を購読する世帯が確実に減少しているからにほかなりません。

20220920sinbun2.jpg
(データ出所:日本新聞協会)

2000年にはほぼすべての世帯が新聞を購読していたのに、今や半分程度にまで落ち込みました。

インターネットの普及もさることながら、情報の質の低下、劣化も要因の一つであろうと思われます。いずれにせよ、プロパガンダの手段の力が削がれることは実に喜ばしい。

国家への反逆を深める財務省


財務省が進めている緊縮財政こそが日本を財政破綻に導く可能性があることを財務官僚という無責任集団はわかっているのでしょうか。

民間需要が落ち込んでいる中、緊縮財政で政府までもが需要を減らせば、民間投資は落ち込み、生産力、供給能力は落ちていく一方です。

国内でモノが作れなくなれば海外からの輸入に頼るほかありません。当然、貿易赤字が膨らんでいくことになり、円相場は円安にどんどん振れていく。

そして高いインフレに悩まされることになるはずです。

最終手段として、変動為替制度から固定為替制度へと戻すほかなくなります。しかし、固定為替レートを維持するためには外貨準備が不可欠です。

下落圧力がかかる円をドルで買い支えなければならない。そして外貨準備が尽きればいよいよ外貨建で国債を発行するほかなくなります。

しかし、日本には外貨を発行する権限はない。そして、外貨建国債の返済ができなくなるとき、それが日本が財政破綻するときです。

日本が財政破綻をしないようにするには政府が財政支出を拡大するほかないのにやっていることはまったく逆です。財務省は日本を滅ぼそうとしているようにしか思えない。

国賊官僚組織だといえるのではないでしょうか。

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