仕組債販売にようやくストップが。遅きに失したが放置よりはマシ

デリバティブ取引を駆使したブラックボックス商品である仕組債にようやく販売制限などの自主規制を行う金融機関が出てきました。
なにしろ、大切な退職金で投資させて大損させたり、商品の仕組をよくわかっていない富裕層高齢者を半ば騙して販売したりしてトラブルが増えていたのだから当たり前の話です。
金融機関は、顧客本位などと綺麗事(嘘八百なのだが)を並べ立てるが言ってることとやってることはまったく違うのが実態といったところです。
金融庁やマスコミが騒ぎ出したので、やめておこうという力が働いただけであり、自浄作用が働いているとは思えません。悪徳金融機関には徹底した監視が必要だと改めて認識した次第なのです。
仕組債というボッタくり
仕組債は顧客に手数料を開示する必要もなく、仕組が複雑で顧客にはそのコスト構造がわからない。
それをいいことに金融機関がむさぼっている手数料は、仕組債の額面の10%近くにもなろうと推測されています。
100万円買えば、10万円が手数料で引っこ抜かけれて90万円からのスタート。それでも儲けを出そうとすれば、無謀な賭けを利用するほかない。
当然、投資家が負ける可能性が高くなるか、あるいは勝つ可能性を高くすれば、負けるときには大損をこかせるほかありません。
金融機関に自浄作用はない
ここに来て、一部銀行に仕組債の販売を停止する動きが出てきたのはなぜなのか。
仕組債の問題点を熟知していた金融庁は2022年8月末に発表した金融行政方針の中で、仕組債を問題視し、販売する金融機関に対して販売を継続するか停止するかヒアリングする旨を明記していたのです。
金融庁の犬ともいえる金融機関は目先の収益を犠牲にしても金融庁の意向を忖度するほかない。
というわけで、あくまで外圧による販売停止なのであり、そこには顧客目線などかけらも感じられないのであります。
顧客本位の業務運営などと口先では美辞麗句を並べ立てているのが昨今の金融機関ですが、その本質は以前となんら変わっていない。
金融庁の監視がなければなんでもありの半ば腐りかけた業界だといって差し支えないでしょう。
学生の就職人気が低迷しているのも理解できる。朱に交われば赤くなる。悪貨は良貨を駆逐するともいう。真っ当な人生を歩もうとする若者にとっては極めて賢明な判断であろうと思います。
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仕組債の想定顧客は・・・
もともと仕組債はプロ向けに開発された商品であり、これを金融リテラシーが相対的に低い個人投資家へ販売しようという考えがどうかしている。
その動機は高い収益であることは容易に推察でき、そこにはモラルのかけらもありません。
2022年9月15日、全国銀行協会の半沢会長(半沢直樹ではない)は記者会見で、想定する顧客の明確化とわかりやすい情報提供が必要であるとの認識を示しました。
金融庁の圧力がもたらした発言であることは間違いはないでしょう。
金融機関の本音をいえば、想定される顧客は、金融機関の言いなりとなる富裕層であり、わかりやすく情報提供しても理解する気はない顧客ではないでしょうか。
金融機関選びのバロメータ
今後、資産運用で金融機関を選ぶ若者にアドバイスできるとしたら、仕組債を扱っている金融機関を選んではならないということです。
お金が貯まり出した頃に、突然いい商品があるなどと言って、仕組債を勧めてくるに違いない。
その目的はあなたの金を吸い取ることであり、あなたの資産を増やすことなどにはまるで関心がないと考えて間違いはありません。
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