アクティビストというハゲタカ投資家。日本でも増加中

鷹

日本でもアクティビスト投資家の活動が徐々に増えてきているのはご存じのとおりです。

物言う株主となって企業に変革らしきものを迫る。しかし、その真の目的は短期的な金儲けにあるのが一般的です。

一昔前の村上ファンドが典型例でしょう。もっともらしい理屈を垂れますが、その実、金だけが目当てであり、あまり尊敬できるものではありません(個人の感想です)。

しかし、外国人株主が増えている以上この流れは止められない。東証プライム市場に上場する企業に英文開示が求められているのも海外の投資家の圧力であると推測できます。

ところで、秋はアクティビストにとって、もっとも忙しい月の一つだといいます。株主総会は1年近く先なのにいったいなぜなのでしょうか。






海外投資家の着実な増加


以下は1970年以降の投資主体別の株式保有比率の推移です。バブル崩壊以降、海外の投資家の持ち株比率が急増していることがわかります。

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(出所:日本取引所グループ)

一方で日本の金融機関、事業法人の持株比率の下落が著しい。株式の持ち合いが解消されたり、業績の悪化で他社の株式など持っている余裕はなくなったことが原因です。

アクティビストへのイメージ


海外の投資家は黙って株を保有してくれる投資家ばかりではありません。

株主提案で、株主への還元を多くするよう求めたり、事業の切り売りなどを提案してきます。その目的は繰り返しとなりますが金であることはいうまでもありません。

雇用を守るとか、長期的な成長を図るという観点はないといえます。

日本の企業は伝統的に長期的な安定成長を目指す企業が多く、株主の短期的利益に応えようという企業は少ないといえます。

そのため、日本ではアクティビストに対するイメージは悪く、嫌悪感すら抱く人も多いのではないでしょうか。

そのため、年金基金などはアクティビストファンドに運用を任せることは少ない。このことは日本の良心ともいえるのではないでしょうか。

よって、日本におけるアクティビストの活動はまだまだ小規模にとどまっており、時価総額の大きい巨大企業が狙われることは少なくなっています。

逆にいえば小型株がアクティビストに狙われやすいといえます。

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アクティビストの秋


ところでなぜアクティビストは秋が忙しいのか。

株主総会で株主提案を出すには6か月以上前から株を保有しておく必要があります。

日本の上場企業の約3分の2は3月決算であり、株主総会はほとんど6月に開かれます。そして株主総会に株主提案をするタイムリミットは総会の約2か月前(4月中旬頃)までです。

4月時点で6か月以上株を保有しておくには前年の9月、遅くとも10月上旬くらいまでには株を仕込んでおく必要があるのです。

狙われやすい会社


どんな企業がアクティビストに狙われるのか。

アクティビストの狙いはあくまで金の分配であるからして、現預金をたんまりと貯め込んでいる企業が狙われます。

また、純資産の割に株価が安い、いわゆる低PBR銘柄が狙われます。そのほうが株を割安に仕込めて分配が大きくなる可能性が高いからです。

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最後に


アクティビストの活動は日本人の感覚からするとどうも感心できません。

しかし、現実には日本で活動するアクティビストの数は着実に増加しています。これにともなって株主提案の数も過去最高を更新中です。

古いデータですが、少しずつ増えていることがわかります。現在はもっと増えています。

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(出所:経済産業省)

アクティビストには会社をバラバラにして金をふんだくるような株主提案はやめてもらいたい。ぜひ長期的な成長を重視した株主提案を行ってもらいたいもんです。

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