増え続けるM&A。自分がその立場になるとどうなるのか?

日本においてもM&Aが増え続けています。この10年間でその数は約2.5倍にまで伸びてきました。
その数およそ4000件以上。もはやM&Aは遠い国の話ではありません。いつ自分の身に降りかかってくるかもわからない。
もし自分が勤める会社がM&Aにあったら・・・。いったい自分の身はどうなってしまうのでしょうか。
気になるところです。
M&A広がる
M&Aはもはや対岸の火事ではなくなりました。会社や会社の事業部門も商品と同じく売り買いの対象となっています。
以下は日本のM&Aの件数推移です。

(出所:経済産業省)
リーマンショックで一時、下火となりましたがその後は再び右肩上がり。さすがにコロナ禍では踊り場となりましたが、昨今再び活発化しているようです。
気になる待遇、そして未来
自分の勤めている会社がM&Aされたらどうなるのか。サラリーマンとしては切実な心配ではないでしょうか。
リストラされてしまうのではないか、給与が激減するのではないか、肩書が無くなってしまうのではないか、など心配は尽きないと思います。
しかし、大方の場合そのような心配は杞憂に終わることが多いのが実態です。なぜならM&Aで会社を買う側にとっては魅力があるから買うわけです。
顧客基盤のみならず、買う企業に技術やノウハウを持った従業員がいるからこそお金を出す価値があるのです。
社員の給与を下げたり、リストラしたりしたら社員の士気は途端に下がります。退職も相次ぐことになるはずです。そんなことになっては会社を買った意味がなくなってしまいます。
だから心配しすぎることはないというわけなのです。
M&Aの形態による特徴
しかしながら、一部にはひどい目にあうケースもあります。
ところでM&Aの形態は概ね3つに分けられます。1つは株式譲渡、1つは事業譲渡、そして合併です。
実際の事例では7割超が株式譲渡によるもの、1割強が事業譲渡となっており、意外なことに合併は少ない。そしてこの形態により大きく状況が異なってきます。
なかでもM&Aをされる従業員にとって危険なのは事業譲渡です。
事業譲渡とは売り手企業が会社の一部門などを切り離し他社へ譲渡するという形態です。譲渡された部門の社員は買い手企業へと転籍することになります。要するに転職するのと同じです。
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転職は失敗するケースが多い
転職は成功するよりも失敗することのほうが多いというのはよく聞く話です。
日本でも転職が当たり前になったというイメージがありますが、それはイメージ先行であり、データ上では必ずしもそうとはいえません。

(出所:内閣府)
会社が変われば社風も変わる。また仕事にやり方も一変します。そして転籍先には新たな上司や同僚がおり、人間関係で悩むケースが多くなります。
また会社によっては残業時間などが突然多くなったりして体調を崩すケースもあります。
そのような結果、新たな会社に馴染めずに退職するケースも多くなります。もし、自分が事業譲渡で他社へ移ることになるのならば、転職と同じだと考えて、覚悟を決めたほうがよいでしょう。
今までの延長だと考えると大きな失望が待っている可能性が高くなります。
最後に
日本でも会社自体が商品という考え方が徐々に浸透してまいりました。
M&Aの仲介業者が大儲けし、その仲介業者も増えている。なにしろ会社の売り買いは規模が大きいだけに儲かるからです。
M&Aは時間を金で買うという意味では大変効率的ではありますが、一方で悲劇を生む可能性もあることは十分に認識しておくべきでしょう。
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