マンション需要に変化が現れている。今までとは違う流れ(2022年初秋)

この10年間、全国的に不動産価格は堅調を維持してきました。なかでも特筆すべきはマンション価格の上昇です。
賃金が伸びない中でもマンション価格は上がりに上がり、中級階級には徐々に高嶺の花になりつつあります。
しかし、ここに来てその流れにも変化の兆しが見られるようです。ただ単に値下がりに転じたという単純な話ではありません。
いったいどんな変化が起きているのでしょうか。
マンション価格に変化の兆し
東京都心のマンションの価格に変化の兆しが見られます。これは中古マンションの価格、あるいはマンションの賃貸価格ともに現れている変化です。
具体的には中古マンションの価格の上昇にストップがかかり始めました。値上がりのペースが徐々に落ち始めており、いずれ値下がりに転じるのは時間の問題だと思われます。
そもそも不動産の中でもマンション価格だけが大きく値上がりしていました。こんな不自然な状態がいつまでも継続するはずはないともいえます。

マンション価格の上昇はどうやら2013年からの異次元金融緩和がきっかけとなっているだろうことは察しがつきますが、なぜマンションだけなのかという謎は残ります。
この謎の答えについては以下の関連記事をご覧ください。
(関連記事)値崩れを防ぎたいマンションデベロッパーと新型コロナとの戦い
東京都心の人気が下がる
また東京都心では賃貸マンションの賃料が4か月連続で値下がりしています。
これはもともと賃貸料が高かったところに、世界経済の減速懸念が広がっており、入居者を確保するには賃料を値下げするしかないという物件オーナーの意向が働いているものと考えられます。
なにしろ、賃貸マンションは入居者がいなければ始まらない。売り手市場から買い手市場へと流れが変わったということです。
しかし、中古マンションの値上がりペース鈍化、賃貸マンションの賃料値下がりは日本全体での現象とはいえません。
それが今回のマンション市場の変化を単純にとらえることができない点です。
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千葉都民が増えた?
典型的なのが賃貸マンションの賃料です。
東京都心では下落に転じているのに千葉県は上昇しているのです。これはいったいなぜなのでしょうか。
千葉都民などと揶揄されるように、千葉県から東京都心へ通勤している人は数多い。要するに家賃が高すぎて東京都に住めない人が千葉県にやむなく住んできたというのが今までの姿であったといえるでしょう。
しかし、コロナ禍による影響がこの姿を変えたといえます。
ご存じのとおり、コロナの影響により在宅勤務を採用する企業が増えました。東京都心のオフィスに通うのは限られた日となり、通勤地獄は幾分解消されたといえます。
都心に通う日が少ないのだから東京都心で高い賃料を払ってマンションを借りる必要もない。
というわけで千葉都民は千葉県民に変わりつつあるというわけです。
今後の予想
さて、今後のマンション市況はどうなるのか。
物件の立地、家賃設定などにより勝ち組、負け組が明確になっていくと推測します。
千葉県が人気といっても駅から遠くて不便であれば買う人も借りる人もいないでしょう。
また、東京都心でも良心的で比較的安価な物件は引き続き高い人気を維持するであろうと考えられます。
一方で、高級マンションで割高な価格設定となっているマンションは中古物件としても売れにくいし、賃貸に出しても借り手がつかなくなるでしょう。
マンション市場においても労働者と同じく二極化が進んでいくものと推測します。
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