東証再編から半年。市場にはどんな変化が現れているのか

東京証券取引所の市場再編から約半年が経過しました。
東証1部、2部、マザーズといった長年親しんだ名称は消滅し、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3つに分かれたわけです。しかし、今だ実感わかず・・・。
ところで従来の東証1部は名ばかり最上位市場と化しており、名称を変えることで世界基準に合わせることで海外からの投資を呼び込もうというのが東証再編の目的です。
その証拠に最上位市場であるプライム上場市場には実質的に英文開示が義務付けられたといってよい。英文開示を行う企業は9割以上に達しています。
さて、この半年で東証にいったいどんな変化が起きているのでしょうか。
暫定措置での居残り企業多数
新市場の上場基準は厳しく、上場廃止基準もまた厳しい。
しかしながら、本来であれば新市場に移行できないような企業が暫定措置によって数多くそのままスライドしました。
その数は約550社。これらの企業はその後、どうなったのか。
さまざまな努力によって上場基準を満たすことができたのは残念ながらわずか1割にとどまっています。
今のところ寛容な投資家
残りの9割はどうなったのか?
暫定移行組の株価は市場移行後の2022年4月4日と9月末を比べると約6割の会社の株価が下落しています。とはいうものの、市場全体の動きを見なければ判断は下せません。
以下は4月4日から9月末までのTOPIXの値動きです。

若干値下がりしていることがわかります。
投資家はまだまだ評価を先延ばししており、中立を決め込んである種寛容であるといえます。
暫定措置の予定は不明
その要因として考えられるのは、東証が暫定措置をいつまで続けるか決めていないからだと考えられます。
それに甘えている企業もあります。暫定措置を使っている企業は「上場維持基準への適合に向けた計画書」を開示しているわけですが、この計画の先送りをする企業もあります。
要するに東証は舐められているといってもよい。それは過去の負い目がそうさせているのかもしれません。
これについては以下の関連記事をご覧ください。
(関連記事)迷走気味の東証改革案、方向性固まる
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上場の意義そのものが問われる
驚くのは上場廃止という選択をする企業も数多いことです。
株式市場に上場していることの意義を今回の東証再編は問い直したということもできます。東証再編を控えた2021年にMBO(※)などにより上場廃止となった企業は83社にもなります。
この流れは2022年に入っても続いており、9月末までで既に62社が上場廃止を選びました。
以下は2021年に上場廃止となった東証1部銘柄の一覧です。

(※)MBO
Management Buyoutの略。経営陣あるいは従業員が投資ファンドや金融機関からの借入などによって資金調達し、自社の株式や一部の事業部門を買収して独立すること。
Management Buyoutの略。経営陣あるいは従業員が投資ファンドや金融機関からの借入などによって資金調達し、自社の株式や一部の事業部門を買収して独立すること。
最後に
東証もいつかは梯子を外す。そのとき、経過措置に甘えて時間を食いつぶしてきた企業は、投資家に見限られ株価も食いつぶされることになるはずです。
自分の持株にプライム市場に暫定措置で残っている企業はないかチェックしておくことをお勧めします。
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