ブラックロック、とめどなき信託報酬値下げ。日本勢も追随せざるを得ず

世界で約1200兆円もの資産を運用する世界一の運用会社、ブラックロックが運用するETFの信託報酬がもはやタダ同然にまで値下がりしています。
これは日本市場でも例外ではありません。
もはや消耗戦の様相を呈しており、資産を積み上げられなければ赤字が積み上がっていくだけといった状態です。いったい日本勢は生き残っていけるのでしょうか。
低コストETFで急成長
ブラックロックは1988年にニューヨークで設立された若い会社です。
それなのに並居る運用会社を押さえ込み、わずか30年あまりで世界最大の運用会社に成長しました。成長の源泉はずばり低コストです。
2022年6月、ブラックロック・ジャパンは日経平均に連動するETFの信託報酬を一気に年率0.0495%(税込)にまで引き下げました。
国内勢も追随値下げをしていますが、とてもブラックロックの水準には及びません。
ちなみに日本の大手運用会社の日経平均連動型の公募株式投資信託の信託報酬は年率0.55%(税込)となっており、10倍以上のコストです。もはやお話になりません。
低コスト運用のニーズ高まる
それにしてもなぜここまで値下げ競争が激化するのか。それには、資金運用難に陥っている銀行の運用資金を取り込もうという動きが活発化しているからです。
周知のとおり、銀行を取り巻く経営環境は厳しい。とにかく低コストで効率的な資金運用をしたいというニーズが高まっています。
そして白羽の矢が立ったのはETFというわけ。
銀行の資金運用に占めるETFの割合は確実に高まっており、3年前よりも5割程度増えている模様です。
なかでも圧倒的な規模を誇るブラックロックは信託報酬の値下げによって一気に市場のシェアを高めようとしています。
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ETFならではの強み
今まで、銀行は投資信託で資金運用する場合、私募投信を活用することが多かった。しかし、私募投信のコストはETFよりも高くなってしまいました。
また、私募投信の場合、一般の投資信託同様に時価の算出は1日に1回に限られます。その点、ETFなら、取引所が開いていればいつでも時価で売り買いができるというメリットもあります。
それにしてもブラックロックの信託報酬率の低さは尋常ではない。ほかの運用会社がまともに追随したら、体力勝負で倒れてしまうことになるでしょう。
しかし、インデックス型の運用商品など似たり寄ったりで差別化は難しい。よってコストが安い方がよいに決まっています。国内の運用会社は頭を抱えているはずです。
個人投資家も活用可能
ブラックロックの低コストETFは何も銀行だけのためのものではありません。個人投資家も投資信託を購入するのであれば、ブラックロックのETFは有力な選択肢となるでしょう。
以下は東京証券取引所に上場しているブラックロックの主なETFとその信託報酬です。資産運用の選択肢として検討の価値は十分にあります。
iシェアーズ JPX日経400ETF(1364):年0.0495%(税込)
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655):年0.0825%程度(税込)
iシェアーズ・コア TOPIX ETF(1475):年0.0495%(税込)
iシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329):年0.0495%(税込)
iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476):年0.1650%(税込)
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655):年0.0825%程度(税込)
iシェアーズ・コア TOPIX ETF(1475):年0.0495%(税込)
iシェアーズ・コア 日経225 ETF(1329):年0.0495%(税込)
iシェアーズ・コア Jリート ETF(1476):年0.1650%(税込)
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