2023年度、日本の銀行の半分以上が赤字に転落!?日銀のリポート

私企業とはいえ、銀行は社会の血液ともいえるお金を直接扱っており、さまざまな企業を支えています。
民間企業といっても公共性が高い産業の一つだといえるでしょう。
そんな銀行が軒並み赤字では、金融不安が起きかねません。しかし、日銀のリポートではそんなシナリオが起こり得ると報告されています。
最悪の事態になれば金融恐慌の再来が起こる可能性もゼロではありません。
いったいどんな事態が想定されているのでしょうか。
不気味な金融システムリポート
日本銀行は2022年10月21日、半年に1度出される金融システムリポートを公表しました。
今回のリポートではFRBの金利引き上げが日本の銀行に与える影響を分析しています。
FRBは2023年から2024年にかけて短期金利が6%まで上昇するというシナリオを描いています。
日銀はこのシナリオをもとに、2023年にアメリカの短期金利が6%台にまで上昇し、長短金利が逆転する逆イールドが発生したと仮定して、ストレステスト(※)を実施しました。
(※)ストレステスト
ストレステストとは、ある対象に大きなストレスがかかる状況を想定し、安全性や耐久性などを維持できるかどうかを調べる手法をいう。金融業界におけるストレステストは、株価の暴落や金利の高騰など、金融市場に不測の事態が発生した場合を想定し、発生する損失や損失回避策をシミュレーションしておくリスク管理手法。銀行などの金融機関では、金融システム危機に耐えて業務を継続できるかどうかを調べる手法とされている。2008年に発生したリーマン・ショック後に、米金融当局が大手金融機関に実施した検査をストレステストと称したことが語源となっている。
ストレステストとは、ある対象に大きなストレスがかかる状況を想定し、安全性や耐久性などを維持できるかどうかを調べる手法をいう。金融業界におけるストレステストは、株価の暴落や金利の高騰など、金融市場に不測の事態が発生した場合を想定し、発生する損失や損失回避策をシミュレーションしておくリスク管理手法。銀行などの金融機関では、金融システム危機に耐えて業務を継続できるかどうかを調べる手法とされている。2008年に発生したリーマン・ショック後に、米金融当局が大手金融機関に実施した検査をストレステストと称したことが語源となっている。
銀行もストレスには弱い
ストレステストの結果はどうなったのか。
まずは外貨での運用収益の悪化が懸念されています。日本の銀行が外貨を調達する際の金利は4%を上回ると想定される一方、運用利回りは2%台にとどまると予想されています。
逆ザヤです。
また保有する外国債券の含み損も拡大すると予測されています。
要するに銀行の体力は落ちるということです。
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負のスパイラル
銀行の体力が落ちるとどうなるのか。
人間と同じで、元気がなくなればリスクを取ることができなくなります。含み損が拡大する中で更なる損失を出してはいけないという懸念が働き、銀行は貸出を絞ると見られています。
貧すれば鈍する。貸出が減れば収益も減ります。
その結果、2023年度、半数以上の銀行が赤字に転落するというわけです。
あくまでもストレステストの結果であり、シナリオどおりに物事が進むわけではありません。しかしながら、アメリカの短期金利が6%というのは十分にありうることだと思えます。
銀行が赤字になり、貸出が減れば、社会に出回るお金の量が減り、景気は悪化するはずです。そうなれば株価も下がるでしょう。
最後に
今回のストレステストでは、破綻する金融機関が発生するほどではないという結論でしたので、金融恐慌という最悪の事態は避けられそうです。
しかし、銀行の収益力は一貫して右肩下がり傾向にあります。
以下は金融機関の本業の利益ともいえるコア業務純益の推移です。

この減少の要因は貸出利ザヤの縮小であることは間違いありません。

(出所:日本銀行)
2023年の景気は期待できそうにない。そんな気がしてならないのであります。
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