資本主義の階段。日本が階段から転げ落ちるリスク

階段

資本主義の発展段階には3つのステージがあるという。

1980年代、日本は最終ステージにまで登りつめるかと思ったら、そこから転げ落ち、このままではスゴロクのスタートに戻るが如く、第一ステージに落ちぶれる可能性があります。

さて、資本主義の発展段階ではそれぞれどのようなことが起きるのでしょうか。

そして、なぜ日本は発展段階を逆進し、転がり落ちているているのでしょうか。






資本主義の第一段階(黎明期)


経済評論家、三橋貴明氏によれば資本主義には「発展段階」があるといいます。

第一段階においては、国が発展しておらず、生産設備や能力が少ないためモノの供給能力が低く、輸入に依存せざるを得ません。

そのため、貿易赤字が増加していきます。

貿易赤字が巨大な国の通貨の価値はどんどん目減りしていきますから、変動為替相場制を採用すれば自国の為替レートはどんどん安くなっていき、輸入物価上昇によるインフレが加速します。

インフレを防ぐには固定為替相場制を採用せざるを得ません。

しかし、為替レートを固定化するには外貨で自国通貨を買い支える必要があります。買い支える資金は借りるほかありません。しかも外貨建てで借りる必要があります。

日本でいえば戦後1ドル=360円が長く続いた時代にあたります。正確には、1971年に1ドル=308円に切り上げられました。

その後、1973年には固定相場制から変動相場制へと移行します。日本が輸出競争力を付けたためであることは明らかでしょう。

戦後の日本において、1945年から1973年までが第一段階にあたるといえます。

資本主義の第二段階(発展期)


国内への投資が進むと生産設備が充実し、モノの供給能力が高まります。

国内の需要を満たすとともに、海外への輸出が可能となるため、貿易赤字が縮小あるいは黒字化します。

変動為替相場制への移行が可能となるのです。自国通貨の価値が下がらぬように外貨を借りて自国通貨を買い支える必要がなくなってきます。

要するに外貨でお金を借りる必要がないということです。

現在の日本が典型的です。経常収支は常に黒字であり、外貨準備高は増え続けています。

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(出所:世界経済のネタ帳)

円を買い支えるとしても海外からお金を借りる必要はありません。外貨を十分に保有しているからです。

また、日本円は日本が発行する権利を持っているため、日本政府の円建て債務のデフォルトリスクはほぼ0%になります。簡単にいえば財政破綻は起こりえないということです。

国債発行は通貨発行と同義であり、プライマリーバランスがどうのこうのとか、政府債務のGDP比などは意味はありません。

通貨を発行できない企業や家計の考え方を国にも当てはめるという愚挙であり、物の道理がわからない者が考える論理です。

だたし、無尽蔵に政府債務を増やしてよいわけもない。ではいったい何を基準としたらよいのでしょうか。

唯一基準となるのがインフレ率です。適度なインフレ率(3%程度)を維持できるように金融政策、財政政策を打っていけばよい。また税制改正もその手段となります。

インフレが行き過ぎれば、金利を上げ、財政支出を少なくする。デフレ期には金利を下げ、財政拡大して適度なインフレまで持っていく。ただそれだけです。

日本の悲劇はデフレにもかかわらず、財政拡大を抑えたり、消費増税をしたことです。風邪を引いている人に乾布摩擦を強要するようなものです。乾布摩擦は元気な時にやるべきでしょう。

この辺のことは中野剛志氏の大ベストセラーがわかりやすく解説してくれています。これを読まずして日本経済を語るなといえると思います。

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資本主義の第三段階(発展期)


第三段階は第二段階の延長線にあります。

第二段階をうまく上ることができれば、供給能力はさらに引き上げられ、物価は適度なインフレ率で安定し、失業率は下がり国民が豊かになり、安心した生活を送れるようになります。

しかし、今の日本はどうでしょうか。

供給能力は上がりました。最近の物価上昇はあくまで資源価格や穀物価格の上昇が主因であり、日本には依然として15兆円ものデフレギャップがあります。

その意味において岸田政権が打ち出した29.1兆円の経済対策は極めて正しい政策といえます。

警戒すべきは増税や社会保険料の負担増です。

せっかく経済対策と打っても、それを打ち消すブレーキをかけたら元も子もありません。

国防のための増税や国民年金の保険料を65歳まで支払うようにするなどは、アクセルを踏みながらブレーキを同時に踏むという政策です。

このような政策が25年以上続けられたため、日本経済が世界の成長から取り残されたことは歴史が証明しています。

剣ヶ峰の日本経済


1990年代以降の日本の没落は目に余る。

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(出所:世界経済のネタ帳)

これこそが、今だ1989年の日経平均株価を上回らないという体たらくの主因です。

今の日本は資本主義の発展段階から考えると第二段階から上がろうという段階でもたついているといえます。うまく上がることができなければ第一段階へと転がり落ちる。

戦後の貧しさ再びです。しかし、戦後はどんどん成長、発展していくという明るい希望がありましたが、今度はどんどん貧困化し、没落していくという暗い絶望が待っています。

愚行を再び繰り返さぬよう岸田政権には期待したい。でもできるかな???

心配でなりません。杞憂に終わってくれればよいのですが・・・。

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