屍累々。わけもわからずFIREを目指して討ち死にする者多数

まったくもって無謀としか思えないようなことをする人もいます。
主に30代から40代の小金持ちの多くがあこがれるFIRE(Financial Independence,Retire Early)。
お金に働いてもらって、自分は働かずに楽して暮らそうってのがFIREの本質だといえます。
その気持ちはよくわかる。私もそうです。しかし、世の中そうそう甘くない。この1年間でFIREを目指していた小金持ちが次々と討ち死にし、夢ははかなく散っていったのであります。
レバナス?何それ!
驚くのは、レバレッジ型の投資信託でFIREを目指すという無謀で無知な人がいることです。
アメリカ株はコロナ禍において加速的に上昇しました。
とりわけNASDAQの株価の値動きに対し、2倍の値動きをするようにレバレッジをかけた投資信託がFIREを目指す人たちに人気だったというのです。
ナスダックにレバレッジをかけているので、「レバナス」などと呼ばれているようです。
確かに2020年春から2021年末にかけてのNASDAQを含めアメリカ株の上昇はすさまじいものがありました。

2022年の悲劇
しかし、チャートを見てもらえばわかるように2022年に入り急落・・・。
その原因はいうまでもなくFRBによる連続利上げです。
株価はほとんど行って来い状態となり、利益は吹っ飛び、含み損を抱える、あるいは損切りを余儀なくされて小金が大金に化けることはありませんでした。
FIREするにはある程度の時間が必要
FIREを目指すのはよいですし、株価が下がるのも仕方がない。上がり過ぎたものは下がるのですから。
何よりも仰天するのはレバレッジ型の投資信託を使ってFIREを目指すという、あまりに不合理で不適切な投資行動です。
FIREを目指すのならある程度の研究が必要ってものでしょう。
FIREを実現するには年単位の中長期的な資金運用が必要なことは想像がつきます。なにしろ宝くじではないのですから。
そして、ちょっと調べればレバレッジ型投信が中長期の投資に適していないことはすぐにわかるのです。
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最悪の中長期投資
投資信託には必ず目論見書があります。
そして、レバレッジ型の投資信託の目論見書にさらっと目を通しただけでもちゃんと書いてあるのです。
某ファンドの目論見書に記載されている内容を一部引用してみます。
『NASDAQ100指数が一方的に上昇する場合と上昇・下落を繰返しながら次第に上昇する場合とでは、最終的にNASDAQ100指数が同じ水準になったとしても、上昇・下落をしながら次第に上昇した場合の基準価額が押下げられることとなります。』
株価は通常、上げ下げを繰り返しながら上昇あるいは下落していくものです。
そして、レバレッジ型投信では上げ下げを繰り返した場合には基準価額は押し下げられるのです。
値動きが2倍といっても、あくまでも前日比の2倍であって、中長期的に2倍になるわけではない点には大いに留意する必要があります。
要するにあくまでも短期運用に向いた商品であり、中長期で投資するよう投資信託ではないということです。
最後に
目論見書にきちんと説明されていることも読まないで(読んだのかもしれないが)投資し、FIREを目指すなど、あまりに虫がよすぎるってもんでしょう。
そんな簡単にFIREできるのならば、働く人がいなくなり超インフレが起きます。しかし、そんなことは起きませんからご安心ください。
FIREできるのはほんのごく一部の人間であり、多くの人は失敗するからです。
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