物流施設の好調が続く。しかしそこには勝ち組と負け組が・・・

巣ごもり消費も一段落し、物流施設の逼迫は徐々に解消して物流系リートも徐々に値下がり続けるかと思っていたら案外そうでもないから意外です。
驚くことに首都圏における2022年7月~9月期の大型物流施設の賃料は過去最高水準であり、堅調を維持しているのです。
しかし、その内情を分析してみると手放しで喜べない構図が目に見えてきます。
統計の罠
ところで以下は、電子商取引の市場規模の推移です。

(出所:経済産業省)
コロナ禍での巣ごもり需要で2021年に大きく伸びていることがわかります。
しかし、2022年に入り巣ごもり需要も一段落しました。それにしても巣ごもり消費のピークは過ぎたのになぜ平均賃料は上昇を続けているのでしょうか。
これにはカラクリがあります。
2022年、旺盛な物流需要から物流施設の竣工が相次ぎました。中でも立地条件がよく、賃料の高い地域に新規物件が多く提供されたのです。
そのため、優良物件の賃料が全体の平均を引き上げました。
しかし、平均賃料が高くなっているからといって、全体が良くなっているとは限りません。
立地による明暗
物流施設にも勝ち組と負け組が現れてきたということです。
東京湾岸エリア、首都圏に近い環状線エリアなどは平均賃料が上昇しています。
その一方で首都圏から離れたエリアの物流施設の賃料は下落に転じました。
立地条件が良く、人手が集まりやすいエリアでは賃料が値上がりしている一方で、立地条件が悪くて、なかなか人手が集まらないような郊外エリアの賃料は下落しているという構図です。
賃料下落の足音
平均賃料の上昇にもかかわらず、空室率は上昇傾向にあります。
首都圏の物流施設の空室率は5.2%で前年に比べ、0.8%上昇しています。なにしろ需要が強く、強気の投資が続いていたため、物件の新規供給が多い。
そのため、テナントはより条件の良い物件を求めて選り好みをしています。
ある不動産会社では2023年の秋には空室は8%まで上昇すると予想しています。これでは今後、平均賃料も下落に転じるであろうと推測できます。
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最後に
現状(2022年11月)では物流型Jリートはまだまだ堅調さを保っています。
しかし、今後の環境変化を考えれば、投資口価格はダラダラと右肩下がりが比較的長い期間続くのではないかと予測します。
買い場は当分先だと考えたほうが良さそうです。
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