空き家の処分に困る人、激増中。少子高齢化社会の闇

家


空き家が増え続けており、総務省の調査によれば2018年にはなんと850万戸にも膨れ上がっています。

1988年の約2倍であり、今後も増え続けることは間違いありません。

空き家とて固定資産税はかかるし、メンテナンス費用もかかります。かといって売却したり、賃貸に出そうとしても条件が良くなければ、それすらままなりません。

空き家を相続することになったら・・・。いったいどうすれば良いのでしょうか。悩んでいる人は多いと思います。







空き家急増中


年々、空き家の数が増加しています。

空き家の増加は人口減少前からも起きており、単に少子高齢化だけが原因ではなさそうです。

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(出所:国土交通省)

核家族の増加、住宅の耐久性アップなどの要因が考えられますが、大きな要因として過疎化が挙げられると思います。

以下のグラフを見ても、田舎になればなるほど、まだまだ使える空き家が多いことがわかります。

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(出所:社会実情データ図録)

若い世代が都市圏に仕事を求めてやってくる一方、産業に恵まれない地方は高齢者ばかりとなり、人口減少と空き家の増加がセットで進んでいると考えられます。

世界一のメガロポリス


中でも東京圏への人口集中は顕著です。

大阪圏、名古屋圏はむしろ減少しているのに東京圏だけはひたすら上昇しています。

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(出所:社会実情データ図録)

その結果どうなったかは以下をご覧いただければ一目瞭然です。

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(出所:社会実情データ図録)

東京圏は世界一のメガロポリスであり、日本では超一極集中が進んでいるといえます。

災害立国、日本においてこれはリスクの集中ともいえ、非常に危険であるといわざるを得ません。

流動性がないという致命傷


空き家を保有することになる最大の要因は相続であるわけですが、すでに自分の家を持っていたり、そもそも住んでいる地域が違えば、売却したり賃貸に出したりするという選択肢が多くなります。

(参考)
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(出所:国土交通省)

しかし、最大の難関はやはり買い手や借り手が少なくて見つからないことです。

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(出所:国土交通省)

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建物の解体には多額の費用が


売却する際にネックとなるのが建物です。

更地の方が買い手がつきやすいから、建物を取り壊したほうが売却しやすくなります。

しかし、それでも売れなかったら?

更地の方が固定資産税が高いし、取り壊しには多額の費用がかかります。高い費用を払っても買い手がつかず固定資産税を払い続けなければならないとしたら目も当てられません。

ところで建物を取り壊すにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。

建物の構造や大きさ、立地条件によって大きく異なってくるわけですが、概ねの相場として、建物が密集していて、頑丈な建物(鉄筋コンクリート造)の場合は300万円程度が目安となります。

また、非密集地で木造であれば150万円程度といった感じです。いずれにせよ、高額な出費となることは間違いありません。

相続土地国庫帰属制度なるもの


不動産を相続したが、買い手も借り手もつかず、処理に困っている人のために2023年4月から新たな制度が始まります。

相続土地国庫帰属制度というもので、相続した土地が不要な場合には国に引き取ってもらえるという制度です。

しかし、名称どおりで引き取ってくれるのはあくまでも土地だけ。建物がある場合は取り壊して更地にする必要があります。その他もろもろの条件があり、ハードルは低くありません。

条件に当てはまるのならば土地を国に引き取ってもらうというのも一考でしょう。田舎の二束三文の土地など買ってくれる人が出てくる可能性は低いし、少ないとはいえ固定資産税がかかり続けるのですから。

建物の取り壊しには多額の費用がかかるわけですが、地方自治体によってはその補助金を出してくれるところもあります。

取り壊しの際は役所に相談してから行うのがお勧めです。

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