物流リートに見直し買いが。どうして?そしてどうなる?(2022年11月)

昨年(2021年)、絶好調だった物流リートですが、さすがに上がり過ぎた感は否めず、2022年に入り伸び悩んでおりました。
しかし、ここに来て見直し買いが入っているというのです。
物流リートを取り巻く市場環境は厳しくなってきており、上がる理由を見つけるのは少々難しいような気がするのですが・・・。
そこで現下の状況を調べてみました。
ボックス相場が続くJリート市場
2022年はJリートにとって、どんな年だったのでしょうか。
ちょっと気が早いですが、チャートを見て振り返ってみましょう。

年初から大幅に下落し、その後、リバウンドしていますが年初の高値を上回ることはできず、いわゆるボックス相場だといえます。
海外のインフレとそれにともなう金利上昇に振り回された年だといえます。
メッキが剥がれた2022年
中でも、2020年から2021年にかけて絶好調だった物流リートにとっては厳しい年になったといえます。
なにしろ割高に買われ過ぎていました。
2021年末に物流リート銘柄のNAV倍率は低いものでも1.3倍程度であり、高いものでは1.7倍ほどにまで上がっていました。
不動産本来の価値よりも割高に買われていたといえます。
当然利回りは下がり、軒並み2%台から3%台の前半となってしまいました。これ以上買えないという水準まで来ていたといえます。
だから2022年は物流リートにとって厳しい年だったのだと考えられます。
物流リート覚醒す
ところが今月(2022年11月)に入り、物流リートがにわかに上がり出したのです。
NAV倍率は1倍前後にまで下がり、利回りは3.5%前後にまで上がっていたため、そろそろ良いだろうと見た投資家の見直し買いが入ったと思われます。
賃料は立地条件によって、強弱感が深まりつつあり、どこでもよいという市場環境ではなくなりました。
それでも立地条件が良ければまだまだ空室は出ておらず、賃料も強気を保っているのが現状です。
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強気相場は続くのか?
この強気は来年(2023年)以降も続くのか?
これを考えるにあたっては2つのポイントがあります。
まずは、需給。
2023年の物流施設の供給量は非常に多くなる見通しです。2022年比で3割増しとなる見込みであり、過去最大水準です。
需給面から見ると物流リートの高値追いは避けたほうが良さそうです。
次に将来性です。
2020年、2021年の物流リート爆上げは旺盛な巣ごもり消費によって支えられたと考えるのが妥当でしょう。
そのため、想定以上に買いが集まったが、2022年にそのメッキが剥げたといえます。
さて、長期的にはどうなのでしょうか。
巣ごもり消費という特需は一服したわけですが、長期的に見て、日本の電子商取引市場の拡大余地はまだまだ大きいといえます。
日本のBtoCの電子商取引比率は1割にも満たず、世界平均の約2割に比べて低い。世代の入れ替わりにより、電子商取引が今後も拡大していくことはまず確実です。
となれば物流施設の未来は明るいといえます。
最後に
海外投資家が日本の不動産市場に興味津々のようです。
欧州の大手不動産ファンドは今後5年間に日本の不動産に1500億円を投じる予定なのだとか。
日本の不動産市場は世界的に見ても規模が大きくて流動性があり、また割安でもあり魅力的なようです。
物流リートバブルは過ぎ去りましたが、2023年は長期的に見て仕込み場だと考えてよいのではないでしょうか。
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