銀行、自ら自殺装置を作り上げる。ITによる銀行包囲網

デフレが長引いた日本の消費者はコスト意識が世界各国に比べて著しく高くなっています。
ITの進展は生活コストの削減に寄与しており、とりわけ金融の世界ではその浸透度が高いといえます。
例えば振込。
窓口では数百円もかかる振込手数料が無料となるネット銀行もあります。
ましてや少額の送金で手数料などかかってはたまらない。なにしろ金利は今だ低いままであり、数百円の利息を得るにはいったいどれだけのお金がいるのか、またどれだけの時間がかかるのか・・・。
それこそ気が遠くなるのです。
そんな中、少額であれば手数料などなくても送金できるサービスが広がっています。銀行業界もそれに負けじとこのチキンレースに参加してきました。
参加しようがしまいが銀行が追い込まれつつあることは間違いない。座して死を待つよりも打って出るということなのだろうと思われます。
新規参入組が続々と
2022年10月から三菱UFJ銀行、三井住友銀行など主要銀行5行が出資する「ことら」が一定額までならスマホアプリで無料で送金ができるサービス、「ことら送金」を始めました。
ことら送金を利用できる金融機関の口座同士であれば無料で10万円まで送金ができるのです。
2022年10月開始時点で利用できる銀行は以下の20行でした。
足利銀行 関西みらい銀行 熊本銀行 埼玉りそな銀行 佐賀銀行
山陰合同銀行 十八親和銀行 十六銀行 常陽銀行 南都銀行
百五銀行 広島銀行 福岡銀行 みずほ銀行 三井住友銀行
三菱UFJ銀行 みなと銀行 山梨中央銀行 横浜銀行 りそな銀行
山陰合同銀行 十八親和銀行 十六銀行 常陽銀行 南都銀行
百五銀行 広島銀行 福岡銀行 みずほ銀行 三井住友銀行
三菱UFJ銀行 みなと銀行 山梨中央銀行 横浜銀行 りそな銀行
そして11月24日から利用可能となった銀行は以下のとおりです。
北九州銀行 京都銀行 きらぼし銀行 静岡銀行 七十七銀行
千葉銀行 西日本シティ銀行 北陸銀行 北海道銀行 もみじ銀行
山口銀行
千葉銀行 西日本シティ銀行 北陸銀行 北海道銀行 もみじ銀行
山口銀行
参加銀行はさらに増える
そして、今後利用可能となる銀行は以下のとおりです。
愛知銀行 阿波銀行 伊予銀行 愛媛銀行 香川銀行
鹿児島銀行 紀陽銀行 群馬銀行 高知銀行 あおぞらネット銀行
四国銀行 静岡中央銀行 新生銀行 千葉興業銀行 中国銀行
徳島大正銀行 栃木銀行 名古屋銀行 八十二銀行 肥後銀行
百十四銀行 北洋銀行 みんなの銀行 武蔵野銀行 琉球銀行
鹿児島銀行 紀陽銀行 群馬銀行 高知銀行 あおぞらネット銀行
四国銀行 静岡中央銀行 新生銀行 千葉興業銀行 中国銀行
徳島大正銀行 栃木銀行 名古屋銀行 八十二銀行 肥後銀行
百十四銀行 北洋銀行 みんなの銀行 武蔵野銀行 琉球銀行
印象としては、旧来型の地方銀行の存在が目立つといったところでしょうか。
大手ネット銀行が入っていないのは今さら感が強いということなのだろうと勝手に推測します。
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想定される活用方法
ではどんな使い方ができるのでしょうか。
やはり魅力なのは送金手数料が無料ということでしょう。上限金額が10万円と小口送金向けであることから、ビジネス向けではなく、家族間の送金などがメインになると思われます。
毎月仕送りをするのに振込手数料などを払っていたらもったいないといったニーズをくみ取ることができるのではないでしょうか。
また今後、金融機関のみならずコード決済などを手掛ける資金移動業者もことらに接続ができるようになる予定です。
金融機関とIT業者との垣根は双方向から刈り取られ、どんどん低くなっています。
最後に
融資による利ザヤが稼げない銀行にとって、手数料ビジネスは貴重な存在です。
しかし、最後の砦にも黒船が襲来しており、業態を問わない消耗戦が繰り返され、終わりは見えません。
銀行は窮地に陥りつつありますが、やらなければやられるだけ・・・。
チキンレースは果てしなく続きそうなのです。
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