新NISAの概要をまとめてみた。制度は素晴らしい。だが2023年が心配だ!

より良い朝令暮改というものは歓迎すべきでしょう。
今回のNISAの再改正はかなりすばらしい。訳のわからない複雑な仕組みで2024年に新NISAが始まると思いきや、金融庁が珍しくスマッシュヒットを放ってくれました。
さて、2024年から始まる新NISA、いったいどんな制度になるのか復習しておきたいと思います。
金融庁の垢でも煎じて飲め!
財務省は金融庁の爪の垢を煎じて飲むべきでしょう。
バカの一つ覚えのようにプライマリーバランス黒字化を掲げ、ひたすら増税路線を突き進む。インフレだろうがデフレだろうが知ったこっちゃない。
とにかく財政均衡原理主義であり、新しい学説などを取り入れる柔軟性は皆無といってよい。
そして、その下辺となっているのが岸田首相なのですから、国民は報われません。
そんなことはともかく、新NISA。金融庁はやってくれました。
なかなかどうして、素晴らしい制度になりそうじゃ~ありませんか。
素晴らしき朝令暮改
新NISAになる前の改正案は複雑怪奇かつ規模が小さく、明らかに改悪でした。投資家に使わせたくない仕組みをあえて作ったのではないかと勘ぐりたくなるほどだったのです。
改正前のNISA案は以下の関連記事をご覧ください。
【関連記事】NISAの制度改正がより具体的に判明してきた
評判が悪かったのでしょう。今までの硬直した官僚機構であれば、ひんしゅくを買ってもそのまま突き進むのが常であったところです。
しかし、今回は違いました。
あと1年しかないのに、思い切って大胆に制度変更を仕掛けてきたのです。誰かはわかりませんが、強烈なリーダーシップを取った人がいるはず。でなければこんな思い切ったことはできないはずです。
新NISAを特徴づけるもの
さて、具体的にどのような制度になるのか、おさらいしてみましょう。
キーワードは「恒久化」「無期限」「240万円」「120万円」「1,800万円」です。
まず恒久化ですが、NISAの制度が時限的措置ではなくなり、恒久化されるということです。NISAはもともとイギリスのISAを真似た仕組であり、ISAは恒久化されていますから、それに追随したと見ることができるでしょう。
そして無期限ですが、いままでのNISAは一般型であれば5年、つみたて型であれば20年などと非課税の期間が決まっていたわけですが、新NISAはこの期限がなくなったというわけです。
極端な話、死ぬまで非課税メリットを享受できるわけであり、これまたすばらしい改善といえるのではないでしょうか。
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嘘八百も含まれているものの・・・
現行NISAは一般型が年間投資枠120万円、つみたてNISAは40万円としょぼい金額でした。
これがスポット型であれば年間240万円と2倍に、つみたて型は年間120万円と3倍にまでアップしたのですからこの違いは大きい。
税金が非課税になるだけですから、資産所得倍増という岸田政権の主張は噓八百だとはいえ、現行NISAよりも改善されることは確かです。
贅沢をいえばキリがないが
長生きできる金持ちであれば非課税投資額が膨大な金額になります。なにしろ、スポット型とつみたて型を両方使うこともできるのです。
つみたて型で投資できるのは現行どおり、金融庁が認めた投資信託のみ。これは若い世代の金融リテラシーが低いことを考えれば真っ当な判断だといえるでしょう。
両方、フルに枠を使えば年間360万円。70年フルに投資できるような資産家だと非課税枠が2億円以上にもなってしまいます。
それではあまりに資産の有無による格差が拡大するということで、生涯投資枠が1,800万円となりそうです。
どうせなら3,600万円にしてもらいたかった。まあ、よしとしましょう。
新NISAの皮肉
また、新NISAの面白い点は、枠を何度も使うことができる点です。
今までは売ってしまった枠を再度使うことができなかったわけですが、新NISAでは売った枠を再び利用することができるようです。
相場の動向に合わせて機動的な投資ができるという点でプラスではないかと思います。
唯一気を付けるべきは、悪徳金融機関がNISA枠を使って年寄りに何度も何度も不必要な売買をさせ手数料を荒稼ぎすることくらいでしょうか。
現行NISAを使用していようとも新NISAを一から利用することができるという点も制度が複雑にならずに済むとともに実質的に非課税枠が増えた(期間限定ではあるが)ことも評価できるでしょう。
しかし、皮肉なことに素晴らしい新NISAになればなるほど2023年の相場は期待できないというのは昨日指摘したとおりなのです。杞憂に終わることを願う。
【関連記事】素晴らしかな新NISA。そのおかげで2023年は株価低迷と予想する
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