さすが大手証券。金にならない商売はやらない割り切り。しかしそれも新NISAで変わる

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現行NISAにおいても大手対面証券の存在感が高いものだと思っていたら、意外なことにそうではありませんでした。

対面証券はもはや力を無くしているのでしょうか。それとも何かほかの要因があるのでしょうか。

今後の証券業界を占う意味でも現行NISAにおける大手証券の存在感の無さが何に起因するのか知っておくことは興味深いように思えます。






大手証券、NISAでの存在感はなし



日本の大手証券といえば、野村証券、大和証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、みずほ証券の5社です。

この5社だけで預かり資産残高は300兆円を超える巨大証券群です。

しかし、なぜかNISA口座の口座数となると5社合わせても340万口座程度となっており、ネット系の楽天証券1社(390万口座)に負けています。

時代はネット証券に完全に移行したとみてよいのか、それとも何かほかの要因があるのでしょうか。

金持ちすぎてNISAに魅力なし!?


大手証券の顧客は富裕層が多いことはご存じのとおりです。

億単位の資産を持つ富裕層にとって、現行NISAの非課税枠はあまりに小さく、魅力的ではなかったようです。

したがって、大手証券は今までNISA口座の獲得にそれほど力を入れてこなかったというのが原因のようです。

ところが2024年からの新NISAは非課税枠が現行よりもざっくり3倍になるといえます。

さすがにこの改善は富裕層にもメリットが行きわたる。そして大手証券も新NISAの口座獲得に本気で取り組もうとしているようなのです。

日本において貯蓄がある世帯の平均金額は1880万円となっています。しかし、中央値は1104万円とかなり下がります。

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(出所:総務省)

一部の富裕層が平均を押し上げている構図が見てとれます。そして大手証券はグラフの右側にいる人を顧客層にしているということです。

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大手証券も方向転換。新NISA獲得戦争始まる


大和証券はNISAを重点商品のひとつにすると社長自らが発言しています。その他の大手証券も追随することは間違いなしと見ます。

対面証券、ネット証券、銀行が入り乱れ、新NISAの口座獲得戦争が始まりそうな気配なのです。

ところで最近気になるデータを見ました。

投資信託協会の調査によると、投資信託の販売手数料が金融機関によって違うということを知っている人は半分に満たないというのです。

手数料の自由化から20年以上経過しているわけですが、今だ護送船団方式の感覚が人々の間に根強く残っているといえます。

あるいは若年層の金融リテラシーが低いのかもしれません。

金融リテラシーが低ければ情報格差により、富裕なお年寄りほど金融機関に利用される格好のカモになるのは目に見えています。

金融庁は悪徳金融機関を放置しすぎてきました。不作為の罪だといえるでしょう。今からでも遅くはない。徹底的に悪徳金融機関は市場から退場させるべきだと思います。

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