土俵際に追い込まれた暫定東証プライム組、踏ん張りを見せる

2022年4月に東証は市場の再編を行いました。
従来から馴染みのあった東証1部、2部は消えてなくなり、東証プライム、東証スタンダードなどという市場に改編されたわけです。
しかし、市場再編にかかわらず2022年の株価は低迷しており、市場の名前を変えた程度で株価にインパクトを与えるはずもないことが世間様に露呈したわけです。
とはいえ一部で例外も見られます。無理してプライム市場に残った暫定組の踏ん張りが目立つのです。
名ばかりプライム市場
東証プライム市場の基準を満たさないにもかかわらず、基準達成へ向けた計画書を提出し、プライム市場に居座った銘柄は約300社ほどになります。
東証の動きは早く、2023年明けには暫定組の上場猶予期間が決まる可能性が出てきました。
プライム市場に残りたければ、流通株式時価総額で100億円以上、1日の平均売買代金が0.2億円以上、流通株式比率が35%以上などという条件を満たす必要があります。
日本の株式の最上位市場にしてはいかにもショボい基準だと思えますが、実際問題、この基準を満たせない上場企業は数多いわけです。
1日の売買代金が2千万円以上でプライム・・・。なんだか悲しいほどにせこい。
これには市場再編に関して、東証に負い目があるからハードルを低くしたのではないかというのが個人的な推測です。
(関連記事)東証の新たな市場再編案。TOPIXの算出方法が大幅に変わるかも・・・
東証、梯子を外す
上場企業側の反発もあったに違いありません。そして結局、東証1部上場企業のうち、約8割がプライム市場に残ることとなりました。
基準を満たしていなくても、勝手な市場再編に頭に来てプライム市場に残った会社も多かったはずです。
とはいえ、東証もいつまでも負い目を感じているわけにはいきません。
2022年11月に開かれた市場再編に関する有識者会議の中で、経過措置は遅くとも2025年3月までとすべきという意見が大勢であったといいます。
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暫定組、頑張りを見せる企業も
暫定組は2022年12月現在でも、その多くがプライムの上場基準を満たしてはいません。
引き続きプライム市場に残りたい企業は企業価値を上げて、投資家にとって魅力的な会社になるほかありません。
事実、そのような企業も少なからずあります。
基準達成のための計画書の内容を着実に実行している企業の株価は確実に上がっています。
市場再編後、暫定組の約5割の株価は上昇しています。
その間、日経平均は1割弱下落しているにもかかわらずです。
●日経平均

暫定組の中にお宝銘柄が・・・
暫定組がプライム市場に残りたい理由はもう一つあります。
2022年10月から始まったTOPIXの改革です。
流通時価総額が100億円未満の企業の組み入れ比率を段階的に落とし、最終的に2025年1月にはTOPIXから外されるのです。
TOPIXに組み入れられていれば、TOPIX連動の投資信託の中にも組み入れられ、投資信託が買われれば株価上昇につながります。
TOPIXから外されたら・・・。投資対象の蚊帳の外となり、株価が極端に割安となり、M&Aの標的にもなりやすくなるでしょう。
そんなわけで暫定組は今、必死の努力を続けているというわけなのです。
そして、その中にはお宝銘柄が埋もれているに違いありません。
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