今までの株の買い手が一転売り手に回る。需給悪化で株価軟調へ

機械

10年ひと昔といいます。

安倍政権が発足したのはちょうど10年前。いろいろと批判はありますが、アベノミクスによって、日本経済が持ち直した事実は誰も否定できないでしょう。

ところがどっこいしょ、岸田政権のやってることはアベノミクスのプラスの回転をまるで逆回転させるかのようです。

なにしろ、岸田首相が所属する宏池会は、財務省の影響力が特に強い派閥です。いわば財務省の出先機関であり、端的にいえば犬です。

だから、財務省が国防費増額は増税で賄う意向を示せば、言いなりになるかのようにオウム返しをするのが岸田首相の真の姿です。

逆アベノミクスが回転し始めたといってよい。そう考えれば今後何が起きるのかは概ね想像がつくのでありんす。






株価が3倍になるという実績


安倍政権発足後、株価はそれまでの1万円割れ水準から、ぐいぐいと値を上げ3万円にまで上昇しました。

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(出所:社会実情データ図録(赤線加筆))

今でも立憲民主党の野田元首相はアベノミクスを批判しているわけですが、悪夢の民主党政権の最低最悪な経済政策を棚に上げてよくそんな戯言を言えるものだと驚きを禁じえません。

失業率が劇的に改善


安倍政権の何が素晴らしいかといえば、失業率が劇的に低下したことです。

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(出所:ニッポンの数字)

労働人口の減少という追い風はあったにせよ、ほぼ完全雇用を達成しました。

ただし、実質賃金が減少しつづけたことはアベノミクスの至らなかった点であるといえます。

仕事があれば自殺者は減る


しかし、仕事にありつけないよりも仕事があったほうが良いに決まっています。だからこそ、安倍政権発足後は自殺者が急減したのです。

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(出所:厚生労働省)

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極端な円高からの脱出


また異次元金融緩和により、極端な円高が是正されたことも日本経済にとって追い風となりました。

それまでは1ドル70円台の超円高だったのです。

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(出所:社会実情データ図録(赤線加筆))

これでは製造業は国内でやっていけない。そして、海外への工場移転が進み、失業が増えるとともに自殺者も増えたのでした。

民主党政権は、国民見殺し政権だったということができます。

逆アベノミクスで何が起きるか


ところが、岸田政権は逆アベノミクスを行おうとしているようにしか見えません。

するとどうなるか。アベノミクスで起きたことが逆パターンで起きるだけです。

円高に戻り、株安となる。失業率は上昇し、自殺者が増える。

民主党政権ほどにはならないでしょうが、そうなることは大体想像がつくのです。

昨日の友は今日の敵!?


ところで、今まで株を買い支えていた主役の一人が売り手に回りそうな気配なのです。

それは誰か?

日本銀行です。

長期金利の許容上限を上げたことに見られるように、日銀が異次元金融緩和からの脱却に方向転換したことは明らかでしょう。

黒田総裁の任期はあと数か月であり、もはやレームダック状態になりつつあると思います。

金利だけではありません。

日銀は今まで、ETFを爆買いし、株価を支えてきました。しかし、その姿勢にも変化が見られるのです。

モグラ叩きのように株価の上昇は抑えられる


日銀はETFの買いを急激に減少させています。

2020年までは年間4兆円から7兆円ものETFを買っていたのに、2021年にはわずか8700億円に減少しました。

2022年はさらに減っており、このままだと7000億円を割りそうな気配です。

買いが細るだけならまだマシですが、そうではありません。

かつて日本銀行は日本の金融業界が危機に陥った際に、銀行から株を買って金融システムの安定化に努めました。

その株式が今、徐々に売りに出されています。

ETFの買いよりも株式の売却のほうが多い月が目立ってきており、日銀は株の買い支え役の地位から降りようとしています。

恐ろしいのは、今まで買い付けた巨額のETFの売りが出ることです。そうなれば株式の需給は一気に悪化します。

もちろん、日銀はそんなことは百も承知であり、ソフトランディングを目指すに違いありませんが・・・。

株価の頭を抑えられるのは間違いありません。

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