二重封じ込め作戦の復活で日本再浮上という図式

第二次世界大戦はドイツそして日本を徹底的に叩きのめすのが目的だったといえるでしょう。
そしてその目的は見事に達成されたのでした。
その後、世界はアメリカとソ連という二極に分断され、日独はその防波堤として利用されたといえます。
アメリカは先の大戦で叩きのめした日本、ドイツを強国化させたくなかったに違いない。
しかし、ソ連に対抗するには日独にもある程度は復活してもらわなければ仕方がなかったのが現実です。
それには条件がある。アメリカに歯向かわない忠実なる犬としての大国であることが大前提です。
今日の日本を見れば、その状態が現在も続いていることがわかります。そして、ソ連亡き後、アメリカにとって、日本とドイツの存在価値は下がりました。
しかし、再びその存在価値が高まってきているのは日独にとって、追い風といえます。
二重封じ込めで世界覇権を維持
第二次世界大戦後、世界はアメリカとソ連に分断されたことはご存じのとおりです。
また、アメリカは戦争で打ち負かした日本とドイツを、二度とアメリカに逆らわないようにしておく必要がありました。
アメリカの忠犬として封じ込めておく必要があったのです。そして、封じ込めた忠犬を利用して、さらにソ連を封じ込めるのがいわゆる二重封じ込め作戦です。
日本、ドイツは独立国の体裁は保っているわけですが、実態としては独立国ではないことは、自国領土内にアメリカの軍事基地が置かれていることからも明らかです。
二重封じ込め作戦を成功させるには日本、ドイツにも経済力をつけてもらわねば話になりません。
日本が戦後、急速に経済成長し、それをアメリカが許したのは二重封じ込め作戦を成功させるための必要悪だったといえます。
前提崩れて日本は邪魔者に
ところが、1991年にその前提は崩壊しました。
ソ連が解体したからです。その段階で世界はアメリカ一極構造になりました。
もはや日本、ドイツの利用価値はなくなったのです。
それまで、日本の経済成長を許してきたアメリカですが、利用価値がなくなった以上、日本の経済成長を止める必要がありました。
なにしろアメリカ人の雇用を守らなくてはなりませんから。
1990年代以降、日本経済が急速に弱体化したのはソ連の崩壊によるアメリカの梯子外しと見ることができるでしょう。
中国の恐るべき台頭
しかし、この環境はこの20年間で再び変化しました。
中国の台頭です。中国は経済力、軍事力の両面においてアメリカに肉薄してきました。しかもあまりにも急速にです。
以下は1980年以降のアメリカ、中国の名目GDP推移です。また参考にロシアを入れてみました。
ロシアは軍事力はともかく、経済的にはアメリカにとって、とるに足らないほど弱小であるといえます。

(出所:世界経済のネタ帳)
中国は核弾頭の数ではまだまだ米ロに劣りますが、急速にその数を増やしていることは間違いないでしょう。

(出所:社会実情データ図録)
世界は米ソ冷戦から米中冷戦へとそのステージが変わりました。中国は一党独裁の全体主義無法国家であり、アメリカと価値観は相容れません。
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利用価値が再び復活
アメリカは今度は中国を封じ込める必要に迫られています。
そうなれば利用価値がなくなった日本、ドイツの価値が再び上昇するのは物の道理というものでしょう。
2023年はまだその芽は芽吹かないとは思います。なにしろ、経済が大きく変化するには時間がかかります。
しかし、今後5年以内に日本経済が再び成長軌道に乗る可能性は高いと見ます。
今後3年が正念場
逆にいえば、中国は5年以内にやるべきことをやっておかなければなりません。
それは何か。
もちろん台湾の奪取です。
今後5年で、日本経済が再び成長軌道に乗るのか、それとも中国の軍門に下るのかがはっきりするでしょう。
2030年に日本がどうなっているのか。それは今後2、3年の日本の政治にかかっていると思います。
そう考えると現岸田政権はいかにも頼りない。そう考える人は私だけではないと思うのです。
疑似バフェット指標(2022年12月末)
2022年が終わりました。株価の居所を確認しておきましょう。
(疑似バフェット指標についてはこちらをご覧ください。)

現状の株価は許容できる高値の範囲内に収まってきました。
ほとんど適正レベルにまで下がってきたといえますが、現状の経済政策と世界経済状況を考慮すれば、依然としてやや割高であると考えます。
2023年の後半は絶好の買い場になるのではないかというのが個人的な予想です。
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コメント
No title
2023-01-13 09:19 URL 編集
Re: No title
こんな弱小ブログではポジショントークしたとしても何ら影響がないというのが悲しいところです。
米中冷戦は復活するどころか今も続いていますし今後も続くでしょう。中国の横暴を許していたら世界はとんでもないことになってしまいます。
2023-01-13 23:03 投資の羅針盤管理人 URL 編集