国防予算は国債で賄うのがもっとも合理的な理由

防衛費上げるなら税金も上げちゃうよ~、などとふざけたことを言ったのは日本の岸田首相でございました。
自民党内での調整も図っていなかったようであり、党内からもひんしゅくを買っている模様・・・。
そりゃ、そうでしょう。
日本が国防費を増額するとしたら、防衛国債の発行がもっとも合理的で、日本経済、ひいては日本国民に優しいからです。
増税で賄うなど、停滞した日本経済に冷や水を浴びせる行為であり、さらなる経済低迷を続けることとなって、仮想敵国との経済格差はますます拡大することになるでしょう。
それではなぜ、防衛国債がもっとも有効な手段だといえるのでしょうか。
アクセルとブレーキを間違える
最近はあまり聞かれなくなりましたが、MMT(現代貨幣理論)は、政府や中央銀行による財政政策、金融政策のあり方について、一石を投じることとなりました。
MMTに関しては賛否が分かれるところですが、個人的にはほとんど同意するものです。こと日本に関しては最たるものだといえます。
日本は1990年代後半からデフレに陥りました。この原因は、日本経済がバブル崩壊という病に罹っているにもかかわらず、健全財政を是とし、財政支出を抑えたことが原因であるのはもはや明らかです。
MMTの考え方によれば、主権通貨を発行できる国は財政破綻をすることはないので、債務とGDPを比べたり、歳出に占める国債の比率など気にしたり、税収と歳出を比べたりする必要はありません。
1990代以降に取るべき政策は、さらなる財政拡大と金融緩和であったにもかかわらず、日本政府はアクセルを全開にすべきところで、急ブレーキを踏むという愚行に出ました。
これがデフレ長期化の最大要因です。
経済運営の指標
MMTによる経済政策の唯一の行動原理はインフレ率を適正に保つことだと言い切ってしまってよいと思います。
デフレであれば、適正なインフレ水準(3%前後)になるまでは、果てしなく財政拡大と金融緩和、そして減税を続けなくてはなりません。
逆にインフレが行き過ぎれば財政支出を抑え、金融を引き締め、場合によっては増税も必要になるでしょう。
税の目的は財源ではありません。政策目的を達成するための手段です。
例えば電気自動車を普及させたければ、電気自動車の購入や維持費に税制で優遇措置を与え、内燃エンジンの自動車を減らすために、ガソリン税を上げるなどです(あくまで例です。私、電気自動車嫌いなので・・・)。
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日本には財政拡大の余力がある
以下は1995年以降の先進諸国のインフレ率の推移です。

(出所:世界経済のネタ帳)
日本のデフレ状態がよくわかるグラフとなっています。
世界各国は今、インフレに苦しんでいるわけですが、いずれは正常化することでしょう。
そうなれば日本は再びデフレ化する可能性が高い。岸田政権の増税路線はその道を切り開いているといえます。
逆にいえば日本には財政拡大余力が大きいといえます。
国防予算を国債で賄える力が日本には残されているし、そうすることで日本経済立ち直りの起爆剤とすることもできるでしょう。
また、国内の防衛産業も保護、成長させていかねばならないと思います。
税を政策目的のために活用するという論理に従えば、防衛産業に税制優遇措置を与えることが日本の防衛産業の維持、発展に資するということです。
最後に
日本の国防予算は世界9位(2020年)ですが、GDPに占める比率は1%に満たない低水準です。
世界標準は2%程度であり、10兆円が一つの目安になるでしょう。

(出所:グローバルノート)
そのための財源は防衛国債。買う人はたくさんいるでしょう。
日本を守るためにこぞって買いたがるに違いない。国防予算を上げるために増税などとはもってのほかなのです。
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