Jリート投資家にとってのいちるの望み。経験則は生きるのか?

Jリートを値上がり益狙いで購入する投資家はごく稀ではないでしょうか。
そう考えるとボックス相場は痛くも痒くもないはずです。
しかし、さすがにコロナショックのような暴落はご勘弁願いたい。株式以上に下落するという有様で、狼狽売りをしてしまった投資家も少なからずいると思われます。
ところで、2023年はさらなる利上げや増税路線の加速が想定され、Jリートを含め、株式市場の下落に備えておく必要がありそうです。
そんな状況ではありますが、過去の経験則からJリート投資家にとっては、安心できる材料もあります。それはどんなものか、そして今後も続いてくれるのでしょうか。
相対的には堅調というが・・・
こんな相場でもJリートは堅調なのだという意見があります。
本当なのでしょうか。以下は過去半年の日経平均(ピンク)と東証リート指数に連動する上場投信(ブルー)の値動き比較です。

確かにここ最近の日経平均の下落率に比べるとJリートの下落率は相対的に小さいといえます。
Jリートのアノマリー
Jリートが堅調を維持している原因は、高配当株と同じです。
他の運用資産に比べて相対的に利回りが高いことから、売りが出にくいし、買いが入りやすい。
株価が割高な局面や、今後の景気動向が懸念されるときに高配当株が買われるのと同じ図式です。
Jリートには、4%の岩盤なるものが存在するといいます。
分配金利回りが4%を上回ると買いが入ってきて、それ以上には売られないという経験則です。
この経験則はアベノミクス以降に見られる現象です。
もっとも、Jリートがスタートしたのは2001年からであり、経験則といっても最長で20年ちょっと・・・。経験則というにはいささか歴史が浅すぎるというのが率直な感想です。
経験則という虚構
そもそも経験則というものは盤石ではないことはバブル崩壊後の金融市場はあからさまにしてくれました。
それまで、長期国債の利回りから、株式益回り(PERの逆数)を引いたイールドスプレッドが3%を下回れば、株価は割安だから買われるなどという経験則(言い伝えのようなもん)がありました。
しかし、いまやそもそも長期国債の利回りは0に近く、経験則の前提が崩れ去ってしまっています。
歴史が比較的長い株式市場ですら、そうなのですから歴史が浅いJリート市場の経験則など、ほとんど当てにならないと考えたほうがよさそうです。
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Jリートの価値を決める二大要因
今後のJリート市場の動向は、2つの観点から考える必要がありそうです。
1つはファンダメンタルな視点として不動産市場の動向です。もう1つはテクニカルな視点として金融市場の動向です。
不動産市場の動向は総じて弱含みです。V字回復をしているホテル型を除いて、今後、分配金がどんどん上がるようなことは考えにくい状態です。
よって、強気相場にはならないでしょう。
金融市場の動向としては金利動向が挙げられます。
長期金利の変動幅が0.5%となり、実質0.5%まで許容されることとなったのはご存じのとおりです。
しかし、今のところ日銀は短期金利には手を付けていません。
2023年は短期金利の上昇を許容する可能性が高く、短期借入金が多い銘柄にとっては厳しいかもしれません。
逆張りを考えるなら、短期借入金比率の高い銘柄を探しておき、日銀が政策変更した時を狙って買いに入るのも一考ではないかと思います。
参考(高利回りJリート トップテン)
いちごオフィスリート投資法人 (8975) 7.21%
マリモ地方創生リート投資法人 (3470) 5.68%
グローバル・ワン不動産投資法人(8958) 5.55%
エスコンジャパンリート投資法人(2971) 5.51%
スターアジア不動産投資法人 (3468) 5.50%
トーセイ・リート投資法人 (3451) 5.49%
タカラレーベン不動産投資法人 (3492) 5.45%
投資法人みらい (3476) 5.40%
ザイマックス・リート投資法人 (3488) 5.33%
東海道リート投資法人 (2989) 5.31%
マリモ地方創生リート投資法人 (3470) 5.68%
グローバル・ワン不動産投資法人(8958) 5.55%
エスコンジャパンリート投資法人(2971) 5.51%
スターアジア不動産投資法人 (3468) 5.50%
トーセイ・リート投資法人 (3451) 5.49%
タカラレーベン不動産投資法人 (3492) 5.45%
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