2023年。オフィス型Jリートにとってもっとも厳しい年

ここしばらく東京都心のオフィス空室率が好転していたかと思えば再びの悪化・・・。
しかも、市場環境はさらに悪化している印象を受けます。オフィス型Jリートは今後どうなっていくのか?
気になるところです。
空室率上昇、賃料下落のスパイラル
昨年(2022年)11月、東京都心部のオフィス空室率が4か月ぶりにわずかながら上昇しました。
空室率は約6.5%。供給過剰の目安とされる5%を上回っており、市場環境は依然として厳しい。
象徴的なのは賃料の下落です。なんと29か月連続で下落し続けているのですから。
オフィス型の下落が目立つ
それはJリートの価格にも表れているようです。
以下は東証リート指数に連動するETF(青線)と日本でもっとも時価総額が大きいオフィス型Jリート(ピンク)のここ半年の値動き比較です。

夏以降、オフィス型の下落が目立ちます。
オフィス型下落の2大要因
これには2つ要因があると考えられます。
1つは先述したとおり、オフィスを取り巻く市場環境の悪化によるものです。将来の不動産価値、分配金に直結しますから、もっとも重要な要因といえるでしょう。
もう1つはテクニカルな要因です。
2022年夏以降、世界的に金利が大きく上昇しました。このせいで円安にもかかわらず、為替差益よりも債券価格の下落が上回り、外国債券で損失を出す投資家が続出しました。
代表的なのが銀行でしょう。このあたりのことは以下をご覧ください。
(関連記事)Jリートの買い場が徐々に近づいている。銀行の益出しを拾う
岸田首相の深層心理を推測
行き過ぎた円安の反動から円高への揺り戻しが起きています。1ドル150円にまで乗せた円ドルが120円台に突入してきました。
これは岸田政権への疑心暗鬼が広がっていることが原因ではないかと思われます。
個人的な憶測ですが、岸田首相は故安倍首相に対する妬み、嫌悪感といったマイナスの感情を持っているように思えてなりません。そのため、行動原理の根底には安倍路線の否定があると思われます。
今後、隙あらば金融引締めに走り、財政均衡路線へと突き進むでしょう。ところが、一貫性がないためメディアにぶっ叩かれるとすぐに路線変更をします。
この信念の無さと無節操さが徐々に明らかになっていったため、岸田政権の支持率はどんどん下がっていると見ることができるのではないでしょうか。
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銀行、バナナの叩き売り再び
さて、円高によって外国債券に投資している投資家は今度は為替差損を気にしなくてはならなくなりました。
再び、銀行が外国債券と一緒にJリートの叩き売りに走る可能性が高いとみます。
決算期末まであと1か月半、個人投資家は銀行からJリートという名のバナナの叩き売りを買うチャンスがあるといえるのではなかろうか。チャンスは迫っているといえそうです。
叩き売り後のV字値上がりは期待薄
とはいえ、買ったとしても大きな値上がりは期待できません。あくまで利回り狙いの買いに徹するべきというのが個人的見解です。
なにしろJリートの中でも大きな比重を占めるオフィスの環境が悪い。
新築物件などでは、空室を埋めるために賃料の無料期間が1年以上におよぶ物件もあるといいます。オフィス賃貸は今、明らかな買い手市場です。
2022年における東京都心部のオフィス募集は約95万坪だったにもかかわらず、成約したのは半分以下の約45万坪となっています。
そして、2023年には新規物件だけで約46万坪の供給が予定されているのです。明らかに供給過剰であり、オフィス型Jリートには逆風が吹きまくっています。
2024年以降は期待大
新規供給を増やしたのは外資系企業の需要を先取りしようという動きがあったからです。
しかし、風向きが変わりました。
世界経済は今秋から減速する可能性が高く、そうなればオフィス需要も弱くなります。2023年のJリート市場にはあまり期待できないでしょう。
悪い話ばかりで暗くなってしまいました。しかし、長期投資家にとってはそれこそが明るい話題です。なにしろ買い場が来るというのですから。
そして、2024年以降の新NISAの導入によって、値も上がるのではないかというのが勝手な楽観的予想なのです。
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