少額送金は手数料無料が当たり前の時代に。「ことら」爆発的普及の可能性

2022年10月にスタートした「ことら」。まだまだ知名度もなく、利用者も少ないのが現実です。
それも致し方がない。なにしろ31行の銀行でしか使えないサービスなのですから。
しかし2023年、ことらは急成長する可能性が出てきました。全国の170もの信用金庫が2023年度中にもことらに加わるというのです。
これで無料少額送金サービスが一気に普及する可能性が出てきました。
なんだよ、ことらって?
そもそも「ことら」って何?と思う人も多いのではないでしょうか。
ことらはスマホにアプリを入れ、送金先(ことら利用者の個人に限るのですが)の電話番号、メールアドレス、口座番号のどれかを入力するだけで、10万円以下の送金が無料でできるサービスです。
なぜそれだけの情報で送金できるかといえば、銀行口座と携帯の電話番号が紐づけされているからです。
(関連記事)銀行、自ら自殺装置を作り上げる。ITによる銀行包囲網
よちよち歩きだが着実に成長
送金手数料無料とはいえ、まだスタートしたばかりですし、なにしろ利用できる金融機関も少ない。
よって利用件数はまだまだ少ないのが実状です。
それでもサービス開始当初から順調に伸びてきており、2022年12月の利用は約12万件にまで増えてきました。
イギリスの例から日本でも成長余力はデカい
そして、さらに利用できる銀行が30増える予定です。
また、追い風となるのは全国の170もの信用金庫がことらを導入することです。銀行と信用金庫を合わせれば約230ほどの金融機関が参加することになり、今後の爆発的普及が見込まれます。
現に、すでに同様のサービスを導入しているイギリスでは年間26億件も使われているのです。
イギリスの人口は日本の約半分ですから、日本なら年間50億件も夢ではありません。
ことらの送金金額は5000円以下が多いといいますから、利用用途は子どもへおこづかいを送金したり、飲み会の代金を友達に送金するような使い方が多いと考えられます。
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ことらで銀行コスト削減
それにしても、ただでさえ収益環境が厳しい銀行や信用金庫が手数料無料のことらに参加することは自殺行為なのではないでしょうか。
しかし、案外そうでもないようなのです。
理由は現金の扱いが減ることでコストの削減につながるからです。ATMにはお札が足りなくならないように管理、補充しなければならないし、現金を輸送するにはセキュリティ上、多額のコストがかかります。
キャッシュレスが進むことでこれらのコストを削減できるというわけなのです。
金融サービス戦国時代
投資信託の購入手数料が無料であることが当たり前になったように、送金も無料が当たり前の時代に入りつつあります。
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