経済産業省、下請けイジメ企業を公開する。大企業の闇

これも長らく続いたデフレの後遺症に違いないと確信させられます。それは、企業の原材料費の高騰に対する製品の価格転嫁率です。
人件費の高騰、原材料費の上昇がどれだけ消費者物価に転嫁されたかを見ると日本の特異性が垣間見れるのです。
そこにはまた、イジメの構造も浮かび上がってくるのです。
デフレ後遺症で値上げできず
2022年10月~12月期において、人件費や原材料費の上昇がどれだけ消費者物価へ転嫁されたかを見ると驚きます。
アメリカはなんと134%。コスト増を上回る価格転嫁を実施しており、いわば便乗値上げとも見えます。ヨーロッパ諸国においては87%となっており、コストの上昇はごく当たり前に消費者物価に転嫁されていると見てよいでしょう。
一方で日本はどうかといえば、たったの48%にすぎません。それでも上がってきた方であり、9月以前は3割程度となっていました。
日本人は長らくデフレに苦しんでいたせいで、値上げに対する抵抗感が非常に大きい。そのせいで、値段が変わらず、中身が減るといったステルス値上げにつながっていることは疑いようがありません。
大企業による下請けイジメ
不思議なのはコストが増加しているのに値上げしていない、そのしわ寄せはいったいどこに行っているのかということです。
もちろん、当事者である企業が耐え忍んでいることもあるでしょう。
しかし、多くの場合、しわ寄せは下請けなどの中小零細企業に回ってきます。現に仕入れ値が上がっていても、製品価格にそれを転嫁できないと考えている企業には中小企業が多くなっています。
中小企業は大企業の下請けであるケースが多く、その立場は弱い。大手企業は、圧倒的に立場の弱い中小企業にコストダウンを強制し、自らの利益を確保しようという動きが見られます。
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大企業と中小企業の断絶
そんなことがまかり通れば、日本経済全体は良くなりません。潤うのは大企業の社員だけであり、中小企業の社員はますます貧しくなるだけです。
そして、日本の労働者の約7割は中小企業に勤めているのです。

(出所:中小企業庁)
企業数で見るとさらに驚きます。なんと日本の企業に占める大企業の比率はわずか1%程度なのです。

(出所:中小企業庁)
経済産業省、思い切る
大企業による中小企業イジメは許さないということで、経済産業省が動きました。
経済産業省は2023年2月7日、自らの商品への価格転嫁に消極的で、下請け企業の値上げ要請に対する交渉にも消極的な企業の実名を公表しました。
これは15万社にも及ぶ中小企業へのアンケート調査に基づくものです。
(参考) https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/follow-up/dl/202209list.pdf
自分の会社さえ良ければいいという考え方は非人道的ではないでしょうか。
そのような企業はやがてしっぺ返しを食らうことは間違いなしと見ます。株価もいずれ暴落するに違いありません。
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