詐欺的金融商品、仕組債に規制が。しかし、生ぬるく甘すぎるのだが

世の中には詐欺的金融商品があります。その代表格は仕組債でしょう。
詐欺的金融商品を詐欺的手法で販売する。もはや金融犯罪に近いというのが仕組債というものです。
日本証券業協会がようやく重い腰を上げて、仕組債の規制に乗り出そうとしています。さて、どんな規制をかけていくというのでしょうか。
手数料は内枠でかすめ取る
仕組債はデリバティブを駆使した複雑な金融商品であり、一般の投資家には理解しがたく得体の知れない金融商品です。
理解ができないのは商品の仕組というよりも、そのコスト構造だといえます。
販売時に手数料はいただきませんなどと言いつつも、内枠で莫大な手数料をかすめ取っているのが仕組債の阿漕なところです。
素人には、仕組債を買うことで、いったい金融機関にいくら貢いでいるのかよくわかりません。これは保険販売などにもいえることでしょう。
食料品などならまだわかる。情報の非対称性が少ないし、勧められて買うケースなど稀でしょう。しかし、金融商品はお人好しばかりが騙されます。
鬼畜な商売。人を見れば金を思え
2021年度、証券トラブルが持ち込まれるあっせんセンターに仕組債の苦情や相談が341件もあったということです。
中には退職金の大半を仕組債にするよう勧められたケースもあったといいます。もはや鬼畜レベルだと言ってよいのではないでしょうか。
勧めている金融マンは自分では絶対に買っていないだろうと確信します。なにしろ高いコストを知らない間に支払わされているのですから。仕組債の裏を知っている人はほぼ100%自分では買わないと思います。
利益を得られたとしても本来よりも少なく、損失はより大きなものになることがわかり切っているのです。
あらゆる金融機関が手を染める
こんな狂った金融商品を売っているのは証券会社ばかりではありません。金融緩和が長らく続き、収益環境が厳しい銀行も顧客軽視の姿勢で仕組債をバンバン売ってきました。
自分たちが生き残るには客か手数料を踏んだくるしかないという姿勢なのです。あたかも顧客のためを装って近づいてくるからたちが悪い。
また、昨今存在感を高めている独立系のIFAの中にも仕組債ばかり売っている業者がいるようです。そして、その対象は概ね高齢者。
高齢者は金を持っているうえに、お人好しで騙されやすいことを彼らはよく知っているからです。こんな商売は詐欺まがい商法だといえます。
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協会の規制は骨抜きの抜け穴だらけになりそう
日本証券業協会は早ければ、今年の7月にも新ルールを導入するといいます。
さて、どんな規制なのか。
現段階でははっきりとしていませんが、顧客の保有金融資産が十分にあるか、リスク資産の割合が高くなりすぎていないか、デリバティブの知識はあるか、などが条件になりそうです。
こんな規制では実効性に欠けると言わざるを得ません。
そもそも金融資産をたくさん持っているからこそ、金融機関としてはカモにしたいわけですし、あまりに抽象的で実効性に欠ける規制となりそうなのです。結局のところガス抜きといったところです。
私案
とにかくこんな悪徳商売は一庶民、一投資家として許せません。
仕組債は、不招請勧誘の対象とすべきでしょう。顧客から欲しいと言ってこない限り、勧誘も説明もしてはならない。これくらいやらないと、再び同じことが繰り返されると思われます。
また、コスト構造については明確に書面で提示して、納得したことを署名してもらうようにすべきでしょう。
それに加えて、仕組債の勧誘時には、顧客との会話をすべて録音し、事後にトラブルとなった際の記録として残しておくべきだと思います。
とにかく、仕組債を勧誘してくるような金融マンがいたら、あなたはカモとみなされていると考えて間違いありません。
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