その医療保険、ホントに必要?民間保険の前に公的保険を知る必要性

医療

日本人の保険好きは世界的にも有名な話です。バブル期には日本の生命保険会社は「ザ・セイホ」として世界に名だたる存在となりました。

バブルは崩壊し、長らくデフレで保険業界も縮小したとはいえ、今だ日本人の保険好きは変わらない。

しかし、ホントに必要に迫られて保険に加入している人ばかりでしょうか。民間の保険へ入る前にまず公的保険の存在を忘れてはならないと思うのです。

そう、日本の国民皆保険は本当によくできた制度なのです。






日本人の異常な保険好き


日本人の約73%が民間の医療保険に加入しているといいます。

国民皆保険でないアメリカならまだわかる。しかし、日本人は何かしらの公的な健康保険に加入しています。

そのため、医療費の窓口負担は現役世代でも3割で済みます。それなのにさらに上乗せして医療保険に入る意味がどこにあるのか理解に苦しみます。

日本の医療制度の素晴らしさよ


とりわけ素晴らしいと感じるのは「高額療養費制度」です。病気やケガによっては、100万円単位の高額な医療費がかかることもあるでしょう。

しかし、どれだけ高額な医療費がかかっても1か月あたりの自己負担額に上限が設けられているため、医療費で破産することなどは日本ではまず考えられません。

一方で、アメリカ人の自己破産の原因は約6割が医療費の支払いによるものです。あまりに医療費が高すぎてまともな医療にたどり着けず亡くなる人も多いのが実態です。

日本では、1か月あたりの自己負担額の上限は普通のサラリーマンであれば10万円前後になるはずです。このくらいであれば自己破産までには至らないのではないでしょうか。

自己負担額を予め抑えることも


通常のケースですと、まずは自己負担額を先に払い、後で還付を受ける形になるので、ある程度の貯蓄が必要となります。

払戻までは3か月程度の時間も要します。

しかし、あらかじめ高額となることがわかっているならば「限度額適用認定証」という書類を取り寄せておけば、自己負担額を上限額に抑えることができます。

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アメリカの異様な姿


少々古いデータですが、1人あたりの医療費と平均寿命をプロットしたのが以下の図です。

20230227iryou.jpg
(出所:社会実情データ図録)

左上ほどすばらしく、右下へ行くほどひどいことになります。

日本は低コストの割に平均寿命が高く優秀だといえます。一方で悲惨なのがアメリカです。医療費が高いにもかかわらず、平均寿命は短い。

行き過ぎた自由化がもたらした弊害だといえるでしょう。

宝くじなみの医療保険


もっとも、高額な医療費がかかることは稀であるのが現実でしょう。それならば、掛け捨ての医療保険に毎月何千円も払い続けるくらいなら、その分、投信でも積み立てていったほうがマシではないでしょうか(個人の感想です)。

保険会社の人から聞いた話では医療保険の保険料の半分くらいは保険会社の経費に消えていくそうであり、残った半分を保険金に充てているのです。

要は、宝くじ並みの返戻率だと考えて差し支えありません。そう考えると医療保険など入る人などは保険会社にとっても良きカモでしかありません。

ほぼ負けが決まっている非効率な賭けを行うくらいなら、健康に気を配ってコツコツと貯めていったほうがよろしいのではないでしょうか。

保険会社にわざわざ貴重なお金を貢ぐ必要性はまったく感じないのであります。

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