長短金利の逆転長引く。アノマリーの終焉か、景気悪化のエネルギー蓄積か

アメリカの長期金利が4%前後にまで上昇してきました。
2023年に入り、アメリカの景気は堅調です。しかし、金利の動向を見ればその堅調さは嵐の前の静けさにも思えます。
いったい今、債券市場で何が起きているのでしょうか。そして、それは何の予兆なのでしょうか。
ブレーキが利かないアメリカ景気
2023年に入り、アメリカの景気指標は堅調です。
1月は非農業部門雇用者数が517,000人増と前月の2倍以上に増加。失業率は3.4%と2か月連続の低下となっています。
過去数十年を見ても、失業率3.4%は考えられないほどの低水準です。

(出所:世界経済のネタ帳)
物価も数十年ぶりの上昇となっており、FRBが利上げでソフトランディングをさせようとしていますが、なかなかうまく行きません。
アフターコロナのリベンジ消費が止まらず、FRBが利上げでブレーキをかけても止まらない状況になっています。

(出所:世界経済のネタ帳)
このため、景気後退から年内にも利下げがあるのではという見方は後退しています。
常識が通用しない市場
ところで、普通の感覚からすれば、期間が長い債券ほど利回りが高くなるのが当たり前でしょう。
1か月定期預金よりも1年定期のほうが金利が高いのと同じです。
しかし、この当たり前が今のアメリカでは通用しません。
2022年夏から半年以上、2年国債の利回りが10年国債の利回りを上回るという逆転現象が続いています。
ちなみに10年国債は4%前後なのに、2年国債は4.8%程度となっています。1年ですと5%を超えているような状態です。
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逆イールドが予見するもの
いったいこれは何を意味するのか?
将来の景気後退を予見するものというのが一般的な見方です。
いずれ景気が減速して利下げがあると市場参加者の多くが考えているということになります。現在の逆イールドは23年ぶりの大きさだといいます。
ITバブル崩壊を思い出す
さて、23年前に目を転じれば思い出すのはITバブルとその崩壊です。
NASDAQが高値から5分の1近くまで下落しました。

今回の逆イールドも近い将来のアメリカ株暴落を予見しているのかもしれません。
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