塵も積もれば山となる。積み立て投資激増、しかし資金の行き先が・・・

投資信託の積み立て投資がうなぎ上りで増えています。
その主役は若年層。
政府の社会保障に不安を感じる若者が、不安に駆られて投資を始めたというのが主な理由でしょう。2021年秋から2023年春の1年半で積み立て額は2倍になりました。年換算では2.4兆円にもなります。
日本の投資信託市場も随分と様相が変わってきました。しかし、そこには日本の弱体化が浮かび上がるのです。
積み立て投資激増の構図
2022年、投資信託に流入した資金は8.8兆円。そのうちの3割近くが若年層による積み立て投資であるというのです。塵も積もれば山となるではないですが、その存在感はかなり大きなものとなっています。
積み立て投資に利用される金融機関は主にネット証券です。
圧倒的な品ぞろえと安い手数料(無料が当たり前)そしてさらにポイントが付いたりするので、弱小金融機関ではとても太刀打ちできません。
ネット証券大手5社(SBI、楽天、マネックス、auカブコム、松井)だけで、積み立て投資の約7割を占めると推計されています。
ネット証券で積み立て投資をしている人は400万人以上と考えられ、日本人の30人に1人は大手5社で積み立て投資をしているということになります。
現行NISAでは満足できない
さらに追い風は吹いています。ご存じ、新NISAです。
非課税で積み立て投資できる金額が一気に3倍に跳ね上がるのですから。現行のつみたてNISAで枠を満額を使い切っている人も多く、もっと非課税で投資したいと考えている人はかなりの数になると考えられます。
当然、投資資金はさらに増えることが予想できます。
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たすき掛けの株式市場
投資資金の流入が加速するならば、日本株も上がるだろうと期待しますが、さにあらずというのが悲しいところです。
今、積み立て投資の主役となっているのは、S&P500に連動する投資信託や世界株に投資する投資信託です。
2022年に投資信託を買うために流入した資金のうち、8割は海外資産を中心とした投資信託に向かっています。これでは日本株は蚊帳の外としかいいようがありません。
日本株を買うのは外国人、外国株を買うのは日本人という奇妙な光景が広がっています。
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