Jリート投資家、悪夢にうなされる。Jリートに吹き荒れる2つの逆風

ちょいと銘柄を増やし過ぎたせいか、個別のJリートの価格までは気にしていなかった。その油断をついたのか知りませんが、目を疑ったのです。
あれほど含み益を抱えていた物流系Jリートがいつの間にか含み損に変わっていたのですから。
まったく油断も隙もあったもんじゃない。
気が付けば、Jリート市場には強烈な逆風が2つも吹いていたのでした。Jリートの今後はどうなるのか?恐怖に怯える投資家も多いことだろうと思います。
Jリートの右肩下がりトレンド
株式分割でもあったのか、それが画面に反映されていないのかと目を疑ったのは、物流系リート、CREロジスティクスファンド(3487)です。
チャートを確認すると2022年の終わりから急落していたのでした。まったく気に留めていなかった・・・。

これは単に追い風が吹きまくっていた物流系リートの追い風が止んだだけなのか?それともJリート市場全体にいえることなのか?
東証リート指数の動きを確認するほかありません。

どう見ても物流系だけではなさそう・・・。
完全に右肩下がりのトレンドを描いているのでありました。
無リスク資産への回帰
今いったい、Jリート市場に何が起きているのか?
どうやらJリートが売られまくっている理由は2つに集約できそうです。
まず一つめとしては、金融引締めへの警戒感です。これは日銀総裁がもうすぐ交代することと密接に関係していることは間違いないでしょう。
金利がさらに上昇すれば、ほとんどリスクなしで利回りが取れる債券の魅力が増し、相対的にJリートの魅力は薄らぎます。
ここ数年、Jリート買いの主役であった銀行も最近はほとんど買いに入っていない模様。国債の利回りがさらに上がれば、Jリートは見向きもされなくなり、安全な国債に資金を振り向けるのは確実な情勢です。
現物不動産への資金流入も途絶える
二つめの理由としてはJリートが保有する不動産だけでなく、不動産市場全体として資金の流入が減少していることです。
これは一つめの要因と密接に関連していますが、海外の投資家はこれまで安い金利で円を調達し、その円を不動産投資に振り向けることで利ザヤを稼いできました。
しかし、金利が上がれば当然利ザヤは縮小します。そのため、現物不動産への投資も縮小しています。現物不動産の市場がJリート市場よりも大きいことは間違いない。
だからして、Jリートもその影響をもろに被ることになります。
資金の流入が減少すれば不動産価格が下がる。そのため、先回りしてJリートを売却する動きが加速しているものと推測します。
現に、Jリートが保有する不動産の価値と、証券市場で売買されるJリートそのものの価値を比較したNAV倍率は1倍を割っています。
これは将来の不動産価格の下落を見越した動きだろうと考えられるわけです。
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現状、株式市場とJリートを比較すると、Jリートはリーマンショック時と同程度まで売られているといいます。
いったいどこまで売られるのか。10年間の値動きを見ると概ね大底は1500ポイント辺りといったところではないかと推測します。

まだまだ下げ余地は十分あるといわざるを得ない。Jリート投資家にとって苦難の日々はまだまだ当分続きそうな気配なのです。
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