仕組債、ついに法律で縛られる!しかし、やはり詰めは甘く・・・

迷路

ボッタくり金融商品として有名な仕組債ですが、ようやく法律が厳しくなりそうで何よりです。

今までは業界団体の自主規制でなんとかごまかそうとしてきた金融業界ですが、いよいよ金融庁も金融機関のことを信用しきれなくなったようです。

実質的な仕組債の販売禁止とも受け止められますが、その改正は最後の詰めを欠いているように見えます。






具体的な規制内容


どのような規制が入るのか。

どうやら、手数料など、顧客が負担するコストの説明義務を課す模様です。

具体的には

・顧客が支払う費用のうち、販売会社が組成会社から受け取る手数料の割合
・販売会社と組成会社との資本関係
・商品を販売したときの営業マンの業績評価の取扱い


の3つを顧客へ情報提供することが義務付けられるようです。

依然としてブラックボックス状態は続く


金融庁によれば、仕組債のコストは年率8%から10%にも及ぶといいます。

そのリターンはといえば平均で3.2%であり、明らかに負担するコストがリターンを上回っています。要するにボッタくり商品だということです。

ボッタくり商品であることを顧客にわからせるために、販売会社が組成会社から受け取る手数料の割合を顧客へ明示し、説明することが求められるようになるのでしょう。

しかし、ここには大きな落とし穴があると思います。

組成会社がいったいいくらぶんどっているのかは依然としてわからない。組成会社が20%抜いて、販売会社には5%払われるとしたら、顧客が知り得るのは5%の部分だけでしょう。

依然として、商品内容はブラックボックスなのです。

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規制の骨抜きを目指すであろう金融業界


これは外貨建ての保険などとよく似た話です。

多くの金融機関は、外貨建ての保険を販売する際に自分たちがどれだけ手数料を受け取っているかを明らかにしています。

しかし、いったい保険会社がどれだけ抜いているのかはやはりわからないのです。

これがパンやコーヒーならわかります。高いと思えば買わないだけだし、セールスされることはないからです。

ところが金融商品は多くの場合、押し売り的なセールスを受けるのです。そして、顧客はまったくの素人であるし、その金融商品の価値がいったいどの程度なのかを知ることはほぼ不可能だといえるでしょう。

そして、ずる賢い金融機関は受け取る手数料がいかにも少ないかのように手数料体系を変えてくるに違いないのです。

いままでまとめて5%もらっていたとしたら、1年ごと1%にして5年受け取る方式にするなどいろいろと手段は考えられるでしょう。

2024年にも規制がスタート


金融庁は今国会での法律成立を目指しており、2024年には施行したい考えのようです。

変わる法律は金融商品取引法と金融サービス提供法。

法律化されれば、金融機関は自主規制などと違って、厳しい規制を受けることになります。法律を破れば行政処分の対象となる可能性があり、最悪、金融業界からの追放を迫られることになります。

今回の規制はそれなりに評価できる。しかしながら、今一歩詰めが甘いと思わざるを得ないのです。

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